不妊症と鍼灸治療-7(鍼灸が不妊に良い理由)

不妊症と鍼灸治療-7(鍼灸が不妊に良い理由)

<精神神経免疫学:PNI>
 精神神経免疫学(PNI)は、心の調和と神経(自律神経)の調和、そして免疫力には相互に関連があるという学説です(図1)。例えば、気力が充実していれば、自律神経系も調和がとれていて免疫力も強く、病気になったりすることがないということとか、自律神経系が乱れると心の不安になったり緊張したりするし、免疫力も落ちるというようなことです。筑波大学名誉教授の村上先生が吉本興業と組んで「笑いが免疫力を高める」ことを実証したのは有名な話ですがこれもPNIに関連しています。

PN I (精神神経免疫学)

<鍼灸はP(精神)にもN(自律神経)にもI(免疫)のいずれにも有効>
 鍼灸治療によって自律神経系が整うということは以前このシリーズでお話してありますが、免疫系にも精神にも有効な治療法なのです。
 心理学に「逆制止理論」という考え方があり、心の安定と筋肉の緊張は逆相関する(反対になる)ということですが、心に不安や緊張(心配など)があると筋肉が緊張して、本来弛緩してなければならないときもずうっと緊張し続けていて休められないし、その筋肉の緊張が逆に心の不安を増長させるというものです。筋肉の緊張は血行阻害を起こすとともに神経を圧迫して痛みやしびれも起こします。心の不安などが取れれば、筋肉の緊張もとれ、筋疲労や痛みしびれも楽になるということですが、逆に鍼灸で筋肉の緊張が取れれば心の不安も軽くなるということでもあります。
 事実、治療後に「身体が軽くなった」、そして「気分もすっきりした」、「心のもやもやが取れた」などとおっしゃる患者さんは非常にたくさんいらっしゃいます。心が落ち着き、自律神経の調和が取れれば当然免疫系にも有効です。

<鍼灸は直接免疫系(I)にも有効>
 松尾芭蕉は『奥の細道』を執筆する旅行中灸をすえて健康管理に努めたというのは有名な話ですが、灸を行うと、その直下に血管が造成されるとともに癌細胞や不純なものを貪食するNK細胞やマクロファージなどが集まる基地ができて、全身に巡るようになるという研究がありますように健康管理増進や免疫力を亢進する作用があります。
 当院では主に鍼治療を行っていますが(灸は適応によって併療)、週一回など定期的に鍼治療を行っている方は風邪をひかなくなったり、『若返る(クラス会などでいわれる)』効果があるようです。実際に父の代からは健康管理を目的にして数年以上週一回の治療を行っている(た)患者さんがいらっしゃいますが、その中で癌にかかった方はたったの二人ですし、その方々も無事生還しています(術後の再発予防に効果があることが実証されてます)。国民の半数が罹患する癌に鍼治療を行っていると1%程度しか罹患しないというのは驚異的なことだと考えます。

<P(精神)、N(自律神経)、I(免疫)が良好だと不妊になりにくい>
 一般的に不妊症の半数以上は男女のどちらかに器質的な異常が見つかり、その半数は先端的な特殊な治療をしなければ妊娠の可能性すらないといわれます。しかし、器質的な異常がないカップルの場合には鍼灸で体調を整えることで妊娠の可能性は非常に高く成りますし、前述の高プロラクチン血症の当院の元スタッフのように明らかな器質的異常があっても体調を整えることで妊娠の可能性は高まります。それだけでなく先端的な特殊な治療を行うにしても元々の卵胞やホルモンバランスがあまりにも悪ければ妊娠の可能性はほとんどなく、鍼灸を併用することで妊娠の可能性は高まることは容易に推測できるでしょう。

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