適応疾患

◆どういう疾患が鍼灸治療に適応するのでしょうか?

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まず鍼灸適応疾患であるかを鑑別します。もしかしたら今ある症状は癌等の悪性の病気が原因かも知れません。病院の治療の方が鍼灸治療より良い場合もありますので、そのような病気かどうか鑑別します。

基本的には鍼灸治療が不適応な疾患はほとんどありません

例えば、鍼灸治療が癌に有効かどうかはまだまだ研究の入り口に入るかどうかというところですが、癌末期の患者さんの痛みの緩和やQOL(生活の質・生きている状態)の改善、抗癌剤や放射線治療の副作用の軽減などに鍼灸治療が有効なことはほぼ証明されてますので、不適応とはいえません。当院の治療でも乳癌から肺に複数転移した患者さんが西洋医学の治療を一切拒否して鍼灸治療だけで全く転移癌消失した例がありますが、鍼灸治療によってQOLの改善や痛みのストレスからの解放のみならず、免疫力が向上し癌が消失したり、縮小して元気で生活している人は数多くいますし、延命効果も高いことも分かっています。

鍼灸治療は自律神経系や内分泌系(ホルモン)の乱れを調整し、免疫力を高め自然治癒力を高めることが分かっていますので、病気を治そうとしている人間が本来備えている力を鼓舞させる或いは思い出させて(スイッチを入れる)或いは自律神経や内分泌系を整えて戦力を高めるということでより強く戦えることが出来ますので理論的には万能というわけです。

もちろん、実際には闘う対象が強すぎた場合には適わない場合もありますし、脊髄腫瘍のように良性の腫瘍の場合には元々免疫力が働かず戦いに行きませんので治す機序が無いものもあります。

それと、西洋医学に鍼灸治療以上に良い治療(効果と副作用を鑑みて)がある場合が有りますので鑑別は当然必要です。

WHO(世界保険機構)や学会などでいわれる鍼灸適応疾患は以下のとおりです。(一例)

神経系疾患では

各種神経痛(坐骨神経痛・肋間神経など)、自律神経失調症、脳卒中の後遺症、不眠症、頭痛、ヘルペス、ヘルペス後の神経痛、反射性交感神経性萎縮症(RSD)、顔面麻痺他の神経麻痺、ハント症候群、各種のしびれなど。

運動器系疾患では

各種変形性関節症(変形性膝関節症、変形性頚椎症、変形性脊椎症など)、リウマチ様関節炎、頚肩腕症候群、むち打ち症、五十肩、腱板炎、腰痛、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、頸椎症、頸椎神経根症、肩こり、捻挫、腱鞘炎、肉離れ、バネ指、テニス肘・ゴルフ肘・ジャンパー膝、足底筋膜炎等各種スポーツ障害など。

循環系の疾患では

本態性高血圧症(原因がはっきりわからない高血圧症のことで、高血圧の約80%を占めます。)、冠状動脈硬化症、間歇性跛行症などの動脈硬化症の諸症状、手足の冷え、動悸・息切れ、狭心症など。

消化系の疾患では

慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性腸炎、神経性消化不良、便秘、下痢、潰瘍性大腸炎、痔疾など。

呼吸系の疾患では

気管支喘息、気管支炎、咽頭炎、喉頭炎、鼻炎、感冒、扁桃炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、風邪・感冒など。

泌尿器系の疾患では

膀胱炎、尿道炎、腎石、腎機能障害、糖尿病性腎症,、前立腺肥大(夜間頻尿)など。

小児科疾患では

小児消化不良症、小児の癇、夜尿症、夜驚症、小児喘息、近視など。

婦人科疾患では

月経不順、月経痛、冷え症、更年期障害、不妊症など。

精神科疾患では

不安神経症、赤面症、鬱病、神経性食思減退症(拒食症)、心身症など

アレルギー疾患では

アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息など。

自律神経の病気では

いわゆる自律神経失調症、むち打ち症後遺症(バレーリュー症候群)、過敏性腸症候群、不定愁訴症候群など

 

◆免疫力をあげるような全身の治療をしてもらえるんでしょうか?

●経絡と経穴を考えた当院での治療

東洋医学では、手足の末端から発して身体の中心に向かって臓腑に至る経穴の流れ(経絡)と臓腑から発して手足の末端に流れる経絡があるとされていて、その経絡上に障害のある部位があるときに、その経絡上にある経穴に治療すれば治るという理論があります。

この考えをベースに西洋医学の科学的根拠に基づいた検証を重ね、その方にあった最善の方法を模索し導き出して行います。

 

◆風邪は薬を飲まない方がいいって本当ですか?

●風邪の鍼灸治療及び養生

風邪はほとんどの場合ウイルス性です。発熱は感染等によって起こりますが、直接外敵によって発熱するのではなく、外敵を察知し、発熱の必要を感じて身体の方が体温を高く設定して発熱を促しているのです。体温が上昇するとウイルスの働きが鈍くなりますし、免疫機構が活性化します。ですから風邪をひいてしまったら身体の暖まるもの(ねぎ、しょうが等)や栄養のあるものを食べ、休養することが重要です。またウイルスは湿気を嫌いますので普段からのうがいも大切です。

鍼灸治療は免疫機能を高め、血行を促進し発熱・発汗させるので風邪にも有効です。但し、治療院までの往復が長い場合、また、症状がながびいている時などは、ご相談ください。

<薬は飲まない方が早く治る>

一般的には、市販の風邪薬を買ったり、病医院で鎮痛解熱剤をもらいますが、基本的には何れも熱冷ましと除咳除痰剤です。解熱剤投与の適応は、39度以上の高熱が4日間以上も続いた場合や、どうしても今日試験があるとか、仕事をしなければならないという状況においてのみ適応となります。

しかし、前述のように発熱そのものは抵抗力を高めるために自ら行っていることですし、咳は気道に貯まったリンパ球や白血球とウイルスなどとの戦いの結果の老廃物を排除するために必要な行為ですので、このような薬を飲むということは、風邪を治すというより、熱や咳などの症状を抑えはするが、病気そのものを治すことを一時取り止めているということになります。

風邪を早く治したいのなら、薬を飲まないで、
(1)暖かくして
(2)暖かいもので栄養をつけて
(3)早く寝る+鍼灸治療
です。