不妊症と鍼灸治療-6(有効なツボの見分け方)

不妊症と鍼灸治療-6(有効なツボの見分け方)

 <ベテランはツボが見える?!>

 ベテランの鍼灸師が良くツボが見えるといいます。私は初心時代にはそのような話を聞くと「そんな馬鹿な」「思い込みが激しいな」というような印象を持っていました。私の父もその一人でありました。ツボは経穴と書きますが、何故「穴」という言葉がついているのか不思議に思っていて、「穴」というからには「ツボはへこんでいる」のではないかと考えたわけです。そのような観点からツボ探しをしていくと、確かに「ツボはへこんでいる」ことが非常に多いのに気付きました。このツボはへこんでいるのを確認するためには指先をトレーニングしていかなければなりません。

 学生はもちろん、免許取りたての初心鍼灸師にはわかりようがありませんが、そのような意識を持ってトレーニングしていくと早い人は2~3年で見つけることができるようになります。中国の鍼灸師はツボを触って見つけるとか、刺し所を触診で特定するということを決してしませんが(古典が書かれた時代の中国では行っていた)、日本の鍼灸師は中国から針灸が伝わった時以上に触診技術を磨いて進歩してきたので、日本の鍼灸と中国の鍼灸の最も大きな違いといえます。

 日本の鍼灸師のベテランの多くの人は「ツボが見える」ということを言いますが決してオカルトでもなく大口叩きでもありません。このツボは生きている人でかつ症状を持っている人しか現れません。もちろん死体を解剖してもその存在を見つけることができませんので存在を疑う人も多いのは事実ですが。

 

<女性機能を高めるには>

 さて、不妊は女性に問題がある場合には女性機能の低下或いは不全が考えられます。理想的には卵胞ホルモン(エストロゲン等)と黄体ホルモン(プロゲストロン)のそれぞれの周期に合わせたバランスが整い、その結果婦人体温がきれいに前半の低温期(卵胞ホルモン期)と後半の高温期(黄体ホルモン期)に分かれて、その移行も比較的急速に行われる(松本分類の1型)のがベストです。そのためにはこの二つのホルモンだけでなく、それらを刺激するFSHとLHという刺激ホルモン(ゴナドトロピン)、そしてその刺激ホルモンを放出するGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)などがうまく連携してなければなりません。それだけではなく前述のプロラクチンやドーパミンなどの脳内ホルモンの働きも重要です。それには視床をはじめとする脳の各部の働きや自律神経系の働きが重要となります。そしてそれらは大脳の影響(ストレスや感情など)も大きく受けます。

 このように非常に複雑な機構になっているので、女性ホルモンを投与すれば解決などというような簡単な話ではありません。

 ホルモンバランスを整えること、自律神経系を整えること、精神の調和を図ること、女性ホルモンはコレステロールから作られますので、栄養バランスも重要ですし、血液の流れもよくなければ臓器の働きも悪くなりますので適度の運動・体操、仕事の姿勢なども重要となってきます。

 このような場合には鍼灸は非常に役に立つ治療だと言えます。つづく

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