灸で嗅覚が回復する

<灸の香りが良いですね!?>
 こうおっしゃったのは、嗅覚消失で来院なされたSさん(70歳)。嗅覚は五感の中で他の感覚に比べて老化による機能減退が比較的少ないので、Sさんも老化による嗅覚消失の可能性は低いと思われました。
 嗅覚を司る神経細胞(嗅細胞)が老化などにより死んでしまったら嗅覚の回復はほぼ不可能ですが、何らかの原因で(副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、あるいは脳腫瘍を除くとほとんどは原因不明)嗅細胞、あるいは鼻から嗅神経、そして大脳に至る経路においての機能障害が起きている場合は治すことが可能です。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎は、鼻閉・鼻汁・くしゃみが必発で特定することは難しくありませんが、慢性の副鼻腔炎(蓄膿)は構造的な問題があれば手術の適応かもしれませんし、アレルギー性はアレルゲンの特定と体質改善が重要となり治療に時間がかかる場合が多いと思われます。
 脳腫瘍の場合には数年かけて緩徐進行するので注意深く観察していればわかるし、脳梗塞などの場合には麻痺などの他の症状が必発なので疑いを持つことは容易です。
 当院にいらっしゃる嗅覚消失あるいは減退の方はほとんどそういう兆候が全くなく原因不明な場合がほとんどです。そして多くの方は鍼だけで治るのですが、鍼で治らない場合には灸治療を加えるとほぼ治ります。Sさんも数回鍼治療を試みましたが、治らなかったので灸治療を行って数壮すえた時に「灸の香りが良いですね」とおっしゃって、その時には嗅覚が回復したことが分かってなかったのですが、しばらくして治ったことに気付かれてびっくりしたということです。

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