今週のお花(フジバカマ・アゲラタム・コニカル・ヒペリカム・ピンポンマム・レザーファン・ナルコラン)

花材:フジバカマ・アゲラタム・コニカル・ヒペリカム・ピンポンマム・レザーファン・ナルコラン

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今週は「フジバカマ」に注目してみます。フジバカマは学名Eupatorium japonicum(Eupatorium fortunei)、キク科ヒヨドリバナ属の多年草です。原産地は中国ですが、朝鮮半島や日本(関東地方以西の本州・四国・九州)などの東アジアに分布し、河原の土手や池の側など水辺に好んで自生します。

フジバカマは、淡い紅紫色の小さい花を茎の頂上に散房状(カクテルグラス型)に咲かせます。花の形は筒状で、5つが1つのまとまりになっているので、一見蕾のように見えます。また花の先は5つに裂け、中から白い糸のような2本の雌しべが飛び出しているので、全体的にはモサモサと短い毛が生えたように見えます。花の色が藤色で、花弁の形が袴(はかま)のように見えることからフジバカマと名付けられたそうですが、どうでしょう・・・、感じ方は人それぞれですからね。いずれにしても決して派手な花ではなく、身近に生える草のイメージですが、その楚々とした趣が日本人に愛されたのでしょう、万葉集だけでなく源氏物語にも登場し、「秋の七草」の1つにもあげられています。

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日本に自生するフジバカマは、奈良時代に薬用として持ち込まれたものが野生化したとみられています。かつては利尿剤として利用していたようですが、肝毒性があるピロリジジンアルカロイドを含むことがわかり、服用は不適当となりました。ですが、アサギマダラに代表されるマダラチョウの仲間は、フジバカマの蜜を好んで吸いに来ます。この毒を身体に取り込むことで敵から身を守り、加えてオスが放出する性フェロモンの原料にもなるのだそうです。

また、フジバカマの葉や茎にはクマリンという成分が含まれており、そのままでは無香ですが、乾いてくると桜餅の葉に似た独特の甘い香りがしてきます。中国では「蘭草(らんそう)」とか「香水蘭(こうすいらん)」と呼ばれ、古くから芳香剤として利用されました。日本でも匂い袋として使われ、渡来品であるフジバカマは高貴な方々に好まれたようです。昔から外国製とかブランド物には弱かったんですね~。

フジバカマは横に伸びる地下茎によって増えていきます。元来、強健で丈夫な性質なので、地下茎はグングン伸びてあっという間に広がり、自生地では密生した群落になるのが常です。ですが、今の日本では護岸工事や土地開発によって自生できる環境が激減したため、群生しているものはほぼ見られなくなりました。環境省のレッドリスト(2007)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種」と定義されている準絶滅危惧(NT)に登録されています。

園芸店では普通にフジバカマを見かけますが、実は販売されているものの多くは他の品種や交雑種などで、例えば「フジバカマ(Eupatorium japonicum)」と「サワヒヨドリ(Eupatorium lindleyanum)」との交雑種である「サワフジバカマ」などがよく出回っており、フジバカマそのものを見かけることはほとんどないのだそうです。ですから、今回いただいたフジバカマも交雑種ではないかと思います。

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