花材:秋明菊・ハナナス・コンシンネレインボー・トルコキキョウ・カーネーション・ゴッドセフィアナ
今週のお花は、「シュウメイギク」に注目しました。“キク”と名前が付いているので、菊の仲間のつもりで花束の中を覗きましたが菊らしきものは見当たらず、おかしいな???と思ってシュウメイギクを検索してみたところ、ぜんぜん菊とは関係ありませんでした。
シュウメイギクは学名をAnemone hupehensis var. japonicaといい、キンポウゲ科イチリンソウ(アネモネ)属の多年草、つまり菊ではなくアネモネの仲間だそうです。シュウメイギクの原産は中国。古い時代に中国から日本へ渡来し、野生化した帰化植物です。見た目の可憐な風情とは違って寒さにはとても強く、増えすぎて困るくらい育てやすいお花なのだとか。日本の気候にも合っていたのでしょう、各地で野生化し、本州、四国、九州の山野や里山に自生しており、毎年秋(8月下旬~11月)に花を咲かせます。
シュウメイギクは漢字では「秋明菊」と書きます。元は、秋に咲く黄泉の国の花のような美しい菊という意味で「秋冥菊」と名付けられたそうですが、後に「冥」は冥途を連想するなど縁起の良くない字であることから「明」が使われるようになったようです。その他にも、京都の貴船神社の周辺に多く見られたことから「貴船菊」という別名があり、中国名では「秋牡丹」、英語では「ジャパニーズ・アネモネ(Japanese anemone)」と呼ばれます。
古くから多くの園芸品種が作られていますが、近年さらに他種との交配品種も加わり、花びらに見える花被片(ガク片)が一重(5枚)のものから八重のものでは30枚近くなるものまであり、花色も白から紅紫色まで様々あります。今回は白い一重のシュウメイギク、とても清楚ですよね。
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