今週のお花(クルクマ・リューカデンドロン・コットンブッシュ・パイン・メガネヤナギ・レモンリーフ)

花材:クルクマ・リューカデンドロン・コットンブッシュ・パイン・メガネヤナギ・レモンリーフ

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[ クルクマ ]
科/属 : ショウガ科 クルクマ(ウコン)属
形 態 : 球根植物
学 名 : Curcuma
原 産 : マレー半島
別 名 : 和名「キョウオウ(姜黄)」「ハナウコン」
その他 : 観賞用として栽培されるのは、主にクルクマ・ペティオラータ種(Curcuma petiolata)とクルクマ・アリスマティフォリア種(シャローム:C. alismatifolia)、両種の園芸品種

[ リュウカデンドロン ]
科/属 : ヤマモガシ科リュウカデンドロン属
形 態 : 常緑低木
学 名 : Leucadendoron
原 産 : 南アフリカ

[ コットンブッシュ ]
科/属 : クロウメモドキ科フィリカ属
形 態 : 常緑低木
学 名 : Phylica Phylica ericoides
原 産 : 南アフリカ
別 名 :「コットンフィリカ」「フィリカロック」「ロックフィリカ」
その他 : 南アフリカのワイルドフラワーのひとつ。コットンブッシュと呼ばれる本品種は、フィリカ属のPhylica ericoidesではないかと思われる。

[ パイン ]=ミニパイナップル
科/属 : パイナップル科アナナス属
形 態 : 多年草
学 名 : Ananas nanus
原 産 : 熱帯アメリカ
別 名 : アナナス、花パイン

第66回(公社)全日本鍼灸学会学術大会会頭に就任(第2報)

 本大会は東京大学で行うことになりましたが、実は東京大学では過去に大きな学術大会が開催されたことがなく、全日本鍼灸学会が最初の開催という名誉まであります。東京大学は全日本鍼灸学会関東支部や旧東京地方会(現鍼灸学会TOKYO)でもたびたび使わせていただいており、私も医学部小講堂や大講堂で講演したことがあり、その時は過去に著名な医学者が講演したであろうと思うと感慨深いものがありましたし、ここで講演することに責任の重さを痛感したものでした。

 学術大会会頭に就任するということは、学術大会の成功に向けて責任とリーダーシップをもって活動するということでありますが、一方会頭講演を行うことになります。会頭講演は安田講堂で行うことになりました。東京大学というと赤門と安田講堂が思い浮かぶほどのまさに東大を象徴するものであります。安田講堂での講演は医学部講堂での講演とは異次元の感慨と責任があると思われます。

 会頭講演は、東洋学と西洋医学を病態生理、治効理論、臨床効果などの様々な側面から比較検討して、どちらの方が本質治療なのか、治すとはどういうことかなどについて言及し、今後西洋医学が再生医療や遺伝子医療にパラダイムシフトが行われたときに東洋医学の立ち位置はいかがになるかなどについて考察してみたいと思っております。

 

症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法-その51

・・・・キーワード11「癌の可能性が高い。貴方ならどうする?-35」・・・・
                 東京衛生学園臨床教育専攻科講師 小川 卓良

 早速前号の宿題から入る。前号では下記の例が改善したのは抗ガン剤の効果を否定しないが、病院での奇跡的という評価から抗ガン剤以外の要因で癌が縮小し、かつ体調が回復し体重も浮腫ではなく増加したことの可能性も非常に高いと思われるが、改善した理由は何だったのであろうか、ということである。
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<症例69>女性 63歳 166cm 47kg 飲酒無 12年前から禁煙 7年前に乳癌の既往あり
 乳癌の転移ではないS字結腸癌+肝臓に2カ所転移が見つかったが、ストレスと多忙で自己を省みる暇がなく、具合が悪くなって診察を受けた時には赤血球数が1/3程度で死んでもおかしくない状態であった。結腸癌の手術は成功し、肝転移癌には抗癌剤を用いて、2週間に1本点滴をして合計18本したが副作用で両手両足の痺れなど諸症状が出て、アレルギーのある薬だけは今は止めたが、抗癌剤+金属アレルギーによる種々の副作用は以前として残っている。肝臓の転移癌は直径8cmと6cmであったが6cmと4cmに縮小している。体重は末期的と思われた前回来院の3月より6kg太って食欲もある(簡略にしたので詳細は前号を参照してください)。  
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 肝臓癌は以前にも述べたが、年間の発症数と死亡数がほぼ同数というほとんど全員が助からない癌である。エタノール療法など種々有効といわれる治療法があるが、その効果はあくまでも一時的な延命効果にすぎない場合がほとんどである。その後も来院したり、自身が立ち上げたNPOのチャリティーパーティーでもお会いしたが元気そのものであった。
 本シリーズソノ21で紹介したが平成15年11月に行われた(社)全日本鍼灸学会関東甲信越支部学術集会で浜松医科大学講師の永田勝太郎氏(心療内科)は83歳で余命3ヶ月と宣告された手術不可・化学療法不可の末期癌患者が、旅行に行って、自然と人間の素晴らしさを体験し(至高体験)、新しい命への気づきから、頑固ばあさんが素直でしたたかな実存的転換を果たして、癌の自然体縮及び高いQOLでこの後8年半も生き続けた症例を報告した1)。
 この症例69は永田氏の症例とは若干違うものの、ご自身の生きる意味を見いだし、生きる証を新しく立ち上げたNPOに求め実存的転換を成し遂げたことは同じである。このNPOが軌道に乗るまでは死ねないということで必至で頑張ったため後ろ向きな思考(癌の進行具合を考えたり、死の恐怖におののいたり)をする暇がなかったということであった。
 この生きる意味を見いだしたことが癌が自然退縮し、元気になったことの原因の一つであるが、もう一つこの患者は利点を持っていた。それは死への恐怖が全くないことである。数年前に乳癌をして、三途の川を渡りかけた経験があることも一つであろうが、無宗教であるのに関わらず、死への恐怖を持っていない希有な人であったのである。当たり前のことであるが、人は必ず死ぬ、それが何時かだけのこと、だから死ぬまで精一杯生きる、いつも悔いを残さないように生きる、というのがこの人の生き様なので、既に実存的転換を成し得ているともいえそうである。死への不安・恐怖が無く、後ろ向き思考をしない人は強くPNI(精神神経免疫学)立場からも免疫力が衰えないばかりかより強く働くことは想像に難くない。
 症例6の敬愛する島田先生も私が宗教を勧めた(私は無宗教なので、特定の宗教を勧めたわけではない)ところ、その意義を理解され、般若心経の写経をなさったのであるが、それによってずいぶんと心が落ち着いたとお話しされていた。鍼灸治療と心の落ち着きの相乗効果があったのだろうか、手術不可なほど大きかった癌が縮小して手術が出来るほどになったことは本シリーズで報告した2)3)。
 また、乳癌から肺に複数転移して鍼灸単独治療で肺癌の転移巣が消失した症例42も元々信仰心が厚く、その上くよくよしない性格であったことがプラスに働いたと思われる3)。
 <症例42> 女性 51歳 中肉中背 鍼灸師
 乳癌摘出手術をした後、肺に複数転移した癌があることがわかり、放射線治療と抗癌剤を開始した。しかし食欲不振、嘔気・嘔吐、体重減少等様々な副作用により体調が悪化したために、知り合いの鍼灸師に相談したところ、鍼灸治療で癌が治る可能性を示唆する研究が出ているから、抗癌剤と放射線治療を止めて鍼灸治療だけにしたらどうだと言われ、主治医には猛反対されたが、抗癌剤と放射線の治療は止めて病院では検査だけにして、鍼灸治療に全て委ねることにした。元々信仰心が厚く、くよくよしない性格であるが、喫煙を止めることはできない。開業していることもあって、週1回の鍼と灸の併療治療を受けることになった。
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 後日談であるが、彼女が信仰する宗派ではこの時点でかなり高い位置にあり、詳細は分からないが死後の世界が非常に良いことが約束されていた、と思っていたが実はそれに2年不足していたことが後で分かったそうである。もういつ死んでも良いと思っていたから死への恐怖もなく落ち着いていられたけど、2年足りない状況であったらこれほどまでに死の不安もなく落ち着いていられたかどうか分からなかった、と後日仰っていた。
「癌は心身症である」という学派もある。TypeC(いつも不安におののいているような人は癌になりやすい)は否定されたが4)、ストレスの影響は無視できない。本シリーズで幾つかの症例は強いストレスにさらされた後に癌が発症している。そして、癌になった人は不安・恐怖・懐疑心にさいなまれるということで、約半数が鬱或いは精神的疾患になるということであるから、この心のケアが非常に重要となってくる5)。一般的に癌に対して強い心の持ち主でないと癌を克服できないといわれるが、癌になって症状が顕在化しても死の恐怖もなく強い気持ちで立ち向かえる人は限られている。しかし、治療家としては「不安におののいていれば免疫力が低下するので明るく希望を持って」というご指導や信仰を勧めることは重要である。
 心身症には心の不安から起きる自律神経失調も原因であるし、自律神経失調から起きる心の不安定も原因である。鍼灸治療により自律神経系の調節が可能であるし、自律神経系失調の改善により、心の不安定性も改善されやすいので直接鍼灸師が心のケアを出来なくても自律神経系を調節することにより二次的に心のケアが出来る可能性も高い。
 そして、鍼灸治療により免疫力が向上することが分かっているので6)7)、鍼灸治療により直接自律神経系、免疫系に働きかけることが出来、間接的に心のケアも出来る。また、心の安定の大切さをお話しすることによって、多少は精神的なケアも鍼灸師は出来る可能性も高い。
 PNI(精神神経免疫学)と鍼灸の関わりについて再度図を示す(図1)。
<鍼灸治療>
 鍼灸治療は、自律神経系の調節を目的とするならば上脊髄反射を期待して手足の要穴への刺鍼が有効であるが、現在の所手足の要穴の最良の選穴についてはエビデンスはない。一般的にはよく使われる要穴、例えば足三里・三陰交、合谷、曲池などでも良いと思うし、経絡治療として六部定位脉診で選穴をしても良いと思われるし中医学も同様である。そして、内臓体壁反射や交感神経系の抑制を目的として、背部兪穴の刺鍼も有効である。
 免疫系の賦活を目的とする場合、私は灸治療特に多壮灸を用いる。私は癌患者だからといって、多壮灸以外は特別なことはしない。あくまでも生体の反応を賦活するということが目的であるからである。関西鍼灸大学の木村教授らの研究によると「透熱灸をすえた直下の真皮内に高内皮細静脈が形成され、ICAM1などの接着因子が発現し、リンパ球、NK細胞やマクロファージなどが集まり局所免疫活性が上昇する」までにマウスでは毎日3壮ずつの施灸では20日ほどかかるということなので8)9)、多壮灸も初めのうちだけで、1~2週間後には壮数を減らしてもいく。灸治療も多壮となるとそれなりのストレスになるから、免疫活性が上昇したと思われた時点で減らすということである。
<生活習慣の改善>
 米国で膨大な費用をかけて報告したヘルシーピュープル1979での図を再掲する(図2)。病気にならないようにする、或いは病気を治すことに医療や保健活動の貢献はたったの1割で最も大きな要因は生活習慣であるという報告である。
 新潟大学の安保教授も、安保理論を実践する真柄医師も鍼灸治療の前に生活習慣の改善の重要性をを述べ、患者に対して多くの時間を割いてご指導しているということである。
 本シリーズに置いて、高脂肪食、コレステロール、トランス脂肪酸、食品添加物、肥満、糖尿病や喫煙、飲酒等の問題に多くを割いてきた理由は鑑別の際の状況証拠のみならず生活習慣の転換をご指導する際に重要であるからでもある。癌の7~8割方は生活習慣病或いは自業自得病である可能性は非常に高い。癌になるような生活習慣を改善しないで、治療を行うのは無理である。「アルコールを飲み過ぎて肝臓を悪くした患者に、アルコールをそのまま飲み続けさせて肝臓を治す自信はおありですか?」ということである。アルコールの飲み過ぎは単純で誰でも分かるが、癌の発症に関してはとても複雑で多分単一の生活習慣のみ(例えば喫煙だけ)で発症することは少なく、遺伝子の問題も含めて種々の要因が複雑に絡んできていることは否めない。
 生活習慣の改善には、仕事の問題も大きい。大きなストレスにさらされるような仕事は極力避けるべきであるし、宴席・飲酒の機会が多い仕事や、寝不足になるようでは治療の体制が整わない。だからといって、仕事を辞めるというのも経済的な問題もありむしろストレス・不安を高める恐れがある。場合によっては命を取るか生活を取るか、という選択を迫られることもあろう。しかし、ストレスの影響は大きいことをお話しして理解を得て後は患者さんの選択に任せるしかない。
<症例65>男性 51歳 会社員(部長) 178cm 88kg 酒多量 喫煙無し
 猛烈型のキャリアサラリーマンで海外出張・ゴルフ・接待そして飲酒量も多く常に過労と睡眠不足状態である。血液検査では総コレステロール値が250mg/dl以上、中性脂肪が280mg/dl以上、尿酸値が8.3、空腹時血糖値が100mg/dl以下、肝機能は正常(10年ほど前にA型肝炎の既往あり)、この数ヶ月風邪を引きやすくなるとととにに治りにくくなった。最近の検査で腎機能の低下を指摘された。
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 この症例は、私がこの時点で仕事を辞めるか社長レースを止めて閑職に着くようにお話ししたが、聞き入られず1ヶ月後に脳出血で右半身麻痺になったのである。癌ではないが癌の可能性があった場合も同様である。
 癌の治療に当たっては、鍼灸治療は元より、心のケアと生活習慣の改善の三者が揃って初めて癌と闘う体制が整う。このことは癌と闘う永田勝太郎氏、安保教授、真柄医師の何れもが強調していることでもある。とかく鍼灸師は鍼灸治療だけで治そうと試みるし、鍼灸治療だけで治してきたような幻想を持つことが多い。しかし、実際には生活のご指導や患者さんの悩み等を良く聞いてそれなりの全人的医療を施しているのが実情で、例えば五十肩の鍼灸治療の臨床或いは症例報告では肩の体操法や夜間の冷え対策のご指導或いは悪性進行性の病態でないことの説明して不安を取る等がセットになっているが、どれが効いているのかが分からないのが実情である。しかし、あえてRCTを行う意味はないと思いませんか。全て必要な治療だと思いませんか。(終わり)

canser-fig.50

<引用・参考文献>
1)「癌の自然退縮と鍼」永田勝太郎 (社)全日本鍼灸学会関東甲信越支部鍼灸かわら版 vol.7­1 2004
2)『症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法-その2』小川卓良 医道の日本誌 巻 号
3)『症例から学ぶ悪性疾患の鑑別法-その21』小川卓良 医道の日本誌 巻 号
4)「Personality and the risk of cancer」坪野吉孝他 J Natl Cancer Inst. 2003 ;95
5)「癌患者と心のケア」大西秀樹 鍼灸かわら版 vol.10-2 2007
6)「鍼灸刺激の免疫反応」久光 正 鍼灸かわら版 vol.8-2 2005
7)「灸刺激の生体免疫系への作用」東家 一雄 鍼灸かわら版 vol.8-2 2005
8)「施灸の生体に及ぼす影響」木村通郎他 (社)全日本鍼灸学会雑誌47巻1号1997
9)「施灸刺激特異的にみられる皮膚免疫反応」(1)­(3) 木村通郎他 (社)全日本鍼灸学会雑誌48巻1号1998

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