花材:イブニングスター・ユーフォルビア・マリーゴールド・デコラマム・コニカル・丸葉ルスカス・レザーファン
今週の注目は「イブニングスター」、小さな紫のお花です。5つの花弁がしっかりと開いたその形は “☆” まさにお星さま! とても可愛らしい。
このお花、学名はSwertia pseudochinensis、別名を「ムラサキセンブリ」と言い、リンドウ科センブリ属の1年草で、あの苦~い健胃薬で有名なセンブリの仲間だそうです。ただし、イブニングスターはセンブリに比べて薬効が格段に劣るので、薬草としては使われていません。実際、葉をかじってみてもセンブリほどの苦味はないそうです。
イブニングスターの原産は日本、中国、朝鮮半島。日本国内では関東以西に昔から自生しているお花で、四国・九州の山地ではさほど珍しくない野草の一つだそうですが、自生地が年々減っていて、環境省第4次レッドリスト(2012)では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種」とされる「準絶滅危惧(NT)」に分類されています。
イブニングスターそのものは、花が小さく目立たないので主役にはなれませんが、お花とお花を繋げたり、空間を充たしたりと、カスミ草に代表されるアレンジメントには欠かせないフィラフラワーとして、大切な役割を果たしてくれます。
今回杏林堂には紫と反対色の黄色い花や実物をいただいて、洋風の可愛らしいアレンジになっていますが、イブニングスターは花だけでなく茎の部分も赤紫をしているので、秋の花と合わせてシックな感じに生けても良いでしょうし、素朴な野草としてのイメージもあるので、和の花と合わせて楚々としたイメージのアレンジにしても良さそうです。白い花のイブニングスターもあって、こちらはカスミ草のように何に合わせてもOK! 可憐でキュートなアレンジができそうです。
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