今週のお花(胡蝶蘭・ヒヤシンス・フリージア・トルコキキョウ・ドラセナ・ゴッドセフィアナ)

花材:胡蝶蘭・ヒヤシンス・フリージア・トルコキキョウ・ドラセナ・ゴッドセフィアナ

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今週は「コチョウラン」です。誰もが知る高級花として当選・開業・開店など、お祝いの贈り物によく使われるお花ですね。

コチョウランは学名をPhalaenopsisといい、ラン科ファレノプシス(コチョウラン)属の非耐寒性多年草です。属名のファレノプシスはギリシア語の「phalaina(ファライノ)=蛾」と「opsis(オプシス)=似る」に由来し、花姿を蛾に見立てて付けられた名前です。

コチョウランは東南アジアを中心に50種が分布する熱帯~亜熱帯地域が原産の着生ランです。着生ランは、高温多湿な森林で樹上の枝や幹、岩の上などに根を張り付かせて生活しています。根は空気中に常に露出していて、雨や空気中の水分を吸収します。また、普通の植物が昼に気孔を開いて二酸化炭素を取り込んで光合成を行うのに対して、着生ランの多くは比較的気温の低い夜間にのみ気孔を開き、取り込んだ二酸化炭素を固定させ、昼の間は気孔を閉じて夜の間に取り込んだ二酸化炭素から光合成を行います。このような二段構えの特殊な光合成をベンケイソウ型有機酸合成(Crassulacean Acid Metabolism)といい、これを行う植物はその頭文字を取ってCAM植物と呼ばれます。CAM植物は暑い昼間に気孔を閉じていることで、蒸散によって植物内の水分が失われるのを抑制できるため、乾燥した環境に適応しています。さらに、コチョウランは肉厚の大きな葉を持ち、その中に水分や養分を蓄え成長します。

コチョウランというと、贈答花によく使われている丸くて大きな白い花が、弓状に伸びた茎の根元から数個~数十個ついた、高級感溢れるエレガントな花が思い浮かびますよね。実はそれ以外にも原種・園芸種を合わせてたくさんの品種があり、ふっくらとした丸みがある大輪種、星形の花を咲かせる種、可愛らしい小輪種など花の大きさや形は種によって様々で、花色も白以外に、ピンク・オレンジ・黄色・黄緑・赤・紫・複色・点模様などたくさんの種類があるようです。今回頂いた白地に紫の斑点模様のコチョウランは患者さん方でも初めて見る方が多かったようです。

このように色んな種類のコチョウランがありますが、ファレノプシス(コチョウラン)属の総称として、すべて”コチョウラン”と呼んでいます。しかも近頃は品種改良が進んで、ファレノプシス属同士だけでなく、近縁のドリテノプシス属と掛け合わせて作られたドリテノプシスが鉢植えで広く出回っていたり、アスコセントラム属と掛け合わせたアスコノプシスなどもあるのですが、それらは1500種を超すほどの品種の多さなので、そのような現状では園芸店のすべての商品に正確な品種名を記載するのは難しいのでしょう。ファレノプシス属あるいはファレノプシス属同士の交配種でなくとも”コチョウラン”として販売しているお店もあるようです。

ただ本来、和名として漢字で“胡蝶蘭”とする名称は白花の代表種である「ファレノプシス・アフロディテ(Phal.aphrodite)」にのみ与えられた名前だそうで、これは守られているのかどうか・・・?

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