花材:スターチス・スプレーマム・モカラ・トルコキキョウ・細葉ルスカス・ドラセナコンパクタ
今週はスターチスです。今までも何度かいただきました。同じ時にいただいた他のお花がすべて枯れてしまっても、スターチスはそのままの姿を保っている非常に花持ちの良いお花です。それ以上に、活けたまま何もしなくても勝手にドライフラワーになってくれるので、大変ありがたいお花です。
活けて水に浸かっていた茎の部分を切り、ただ放っておくだけでOK! 茎の緑は茶色く変色しますが、お花の色は半年以上色褪せることがありません。ですから、今までにいただいたスターチスは、ドライフラワーにして時々飾っています。スターチスの花色には赤紫・青紫・濃い紫・薄い紫など紫系が多いですが、ピンク・黄色・白・茶色など、たくさんの色があります。杏林堂にも今までに色んな色のスターチスをいただきましたから、それらを混ぜて束にすると、すごくポップでチャーミングな花束になります。
・・・と言っておきながらですが、スターチスの花色は白か黄色なのだとか。色んな色があって花のように見えているのは、実は萼(ガク)なんですって! 筒状の紫やピンクの花のように見える部分から、小さい白いものがポツポツと出ていることがありますよね。あれが本来のお花なのだそうです。ですからドライフラワーにしているのも、花ではなく萼(ガク)なんですって。
ちなみに、スターチスの仲間は、世界に150種以上分布しているそうです。その中で、私達が一般的にスターチスと呼んでいるのは、学名Limonium sinuatum(リモニウム・シヌアツム)とその園芸品種だそうです。シアヌツムは地中海沿岸~小アジアが原産で、日本には昭和の初めに入ってきました。和名は浜花匙(ハナハマサジ)と言うそうですが、聞いたことないですね。スターチスと言う呼び方は、かつてイソマツ科スターチス属に分類されていたことに由来するそうです。今の属名であるリモニウムの名で呼ばれることもあり、植物学上はその方が正しいのかもしれませんが、園芸では昔の名残である旧属名のスターチスが定着してしまって、今でも広く使われているようです。本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、園芸では花後に枯れる一年草として扱われます。秋に種を撒くと、春に花が咲いて、高温多湿を嫌うので夏に枯れます。
カスミ草のように花束のクッションとして使われますし、花持ちも非常に良いですから、切り花としての需要が高いようが、庭植え鉢植えもできます。ただし、苗はほとんど出回らず、種が売られていて、花(正しくは萼)の色は咲いて見ないとわからないのだそうです。
以前、とある農園のネット通販で、スターチスの一株販売を見たことがあります。一抱え程もあって、かなりのボリューム、結構な迫力でしたよ。
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