花材:ヘデラベリー・グズマニア・モカラ・菜の花・ドラセナ・レザーファン
今週は「ヘデラベリー」です。今までも何度かいただいたことのある実物です。光沢のある濃い緑の葉で、枝の先端に紫黒色の実がいくつかまとまって付いています。
花材には赤やオレンジなどの可愛いきれいな実物が多いですが、ヘデラベリーのような黒い実がアレンジ加わると、シックで洗練された大人向きの洒落た雰囲気になるので、ヨーロッパのお花屋さんでは欠かせない花材だそうです。
昨年暮れ、“今週のお花”でアイビーをご紹介して、『アイビーの学名はHederaといい、学名そのままにヘデラと呼ばれることも多いようです』と自分で書いておきながら、今までまったくヘデラベリーにピン!と来ていませんでした。そうです。“ヘデラ”の“ベリー”なんですよ。別名「アイビーベリー」とも呼ばれていて、これもアイビーの仲間のひとつだったんです。葉の形が全然違うので全く気が付きませんでした。
以前ご紹介したような葉を楽しむアイビーの多くが「セイヨウキヅタ(西洋木蔦)」であるのに対し、今回のような実を楽しむアイビーは「キヅタ(木蔦)」という日本に自生するアイビーの一種だそうです。
キヅタは学名をHedera rhombeaといい、ウコギ科ヘデラ(キヅタ)属の常緑蔓性樹木です。キヅタは日本の在来種で、北海道南部から沖縄の他、朝鮮半島、台湾、中国東部に分布していて、英名では「ジャパニーズ・アイビー(Japanese ivy)」と呼ばれています。
また同じく日本に生息していて、よく壁に伝っているブドウ科ツタ属のツタ(蔦)が落葉性の蔓性樹木で「ナツヅタ(夏蔦)」と呼ばれるのに対して、常緑のキヅタは冬でも葉が見られるので「フユヅタ(冬蔦)」とも呼ばれます。
キヅタはすごい繁殖力で蔓は40mくらいまで伸びるらしいのですが、その一端が杏林堂でも垣間見えました。2ヶ月前に頂いたヘデラベリーが、他の花が枯れても全く変わりないので一輪挿しに入れておいたら・・・何と!今もそのまま元気です。
ちなみに、昨年暮れにアイビーをご紹介した時のアイビーも、中々枯れないので使いまわしているうちに茎の根元から根っこが出てきて、先ごろ新しい葉が出始めました。水だけで育っています!
ともすればポトスですら枯れてしまうのに、それを上回るヘデラ属の繁殖力の強さには驚きです。
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