花材:ゼラニウム・蓮の実・スターチス・ヒマワリ・カーネーション・ドラセナ
今週の注目は「ゼラニウム」です。可愛らしいお花も咲くのですが、今回は特徴的な葉を花材にいただきました。
ゼラニウムは学名をPelargoniumといい、南アフリカのケープ地方を中心にマダガスカル、熱帯アフリカ、シリア、オーストラリアなどの広い範囲に約280種が分布します。
ゼラニウムは、南アフリカ原産の「ゾナレ(P. zonale)」と「インクイナンス(P. inquinans)」に、そのほか数種が交雑されて様々な品種が作り出されています。花は一重咲きから八重咲きまであり、色も様々あります。そのような花を観賞するタイプもあれば、今回のように葉を楽しむタイプもあり、その他にも花や葉に独特の芳香を持ち、ポプリやお茶などに利用されハーブや香料として扱われるタイプのものもあります。
ゼラニウムは現在、フウロソウ科ペラルゴニウム属とされていますが、昔の分類では“ゼラニウム属”とされていました。新たな分類ができたとき、それまで”ゼラニウム属”とされていたものが、“ゼラニウム属” と“ペラルゴニウム属”の2つに分けられました。
当時、「ゼラニウム」という名前は、”ゼラニウム属”を総称した呼び名でした。それが”ゼラニウム属”が2つに分けられたことで、今まで「ゼラニウム」と呼んでいたのに “ペラルゴニウム属”に分けられてしまったものが出てきました。
今回頂いた「ゼラニウム」がまさにそれですが、今でも「ペラルゴニウム」ではなく、「ゼラニウム」の名前で通っています。新たな分類ができたとき、すでに園芸植物として広く普及し、一般的な呼び名になってしまっていたからでしょう。
一方、“ゼラニウム属”のままだったものは、園芸では「ゼラニウム」と呼ばれていません。このように分類名と呼び名に捻じれ現象が起きていて、大変ややこしい状況になっています。
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