神経痛私考-3(手術しなくても椎間板ヘルニアは治る)

神経痛私考-3(手術しなくても椎間板ヘルニアは治る)

<牽引療法で悪化した>

 最近ではあまりやらなくなったと思いますが、腰痛や首痛で牽引療法というのがあります。私は学生時代に追突されてむち打ち症になり保険会社の指示で整形外科に行き牽引療法を受けたことがありますが、効果は感じなくむしろ受療後に痛みが増強したり吐き気がしたりして、二回でやめてしまった経験があります。その後父に鍼治療をしてもらいすぐに治りましたが。実際欧米での研究では有効性は否定されています。もちろん、中にはよくなった人もいらっしゃると思いますが、私のように逆効果の人もいてトータルするとやってもやらなくても変わらないということになるようです。
そこで、20数年前になりますが、ある医学会で何故牽引療法をするのかと質問したところ、牽引することで椎間が広がり突出したヘルニアを元に戻すことができるかもしれないという回答が返ってきました。当時はそんなものかなあと無理やり納得しましたが、そのような症例はほとんどないようです。

<椎間板ヘルニアの手術で悪化した人は多い>

手術によって神経・脊髄や神経根を圧迫しているヘルニアを摘出してしまえば治ると考えるのは自然です。以前は当然のようにヘルニアといえば手術というのが王道であったと思います。しかし、当院の患者さんの中には手術によってもっと悪化したり、レベル(高さ)を間違えたということで何度も手術をして、そのたびに悪化していった患者さんさえいます。現在では訴訟の問題もありあまり手術は行われなくなった現実があります。
 なぜそうなるのかは後述するとして、手術をしないで治らないものか、鍼治療で治らないものか考えた次第です。

<突出した椎間板が鍼治療で消えた>

 たまたま、一年以上椎間板ヘルニアによる腰痛で悩むスイス人の方がいて、治らなくてもよいから鍼治療を試してみたいということで来日されました。ほんの数回治療しただけでしたが、自覚的にすっかり治り、スイスに帰ってMRIを受けたところすっかり突出した椎間板がなくなっていたとの報告を受けました。びっくりしたのは私の方です。主観的に痛みは消えたことまではあり得ることだと思ってましたが、形態的に突出した椎間板が無くなったことはびっくりしました。何故だろうか、その機序が想像つかなかったからです。そしてその話を聞いた新たなヘルニアの患者さんが来院され、高校生だったこともありたった3回ほどで痛みがなくなり、MRIの画像からも突出した椎間板は消えてました。つづく

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