花材:エピデンドラム・スプレーマム・ストック・スイートピー・ドラセナ・ゴッド
今週は「エピデンドラム」です。ピンクの小さな花がボール状にまとまって咲いています。ちょっと珍しいお花ですが、これもラン(蘭)の仲間だそうです。
エピデンドラムは学名をEpidendrumといい、ラン科エピデンドラム属の多年草です。カリブ海周辺の中米から南米の熱帯・亜熱帯地域にかけて約700種が分布するランで、カトレアに近い仲間だそうです。
エピデンドラムは樹木や岩の上に根を張り付かせて生育するタイプの着生ランで、属名のEpidendrumはギリシャ語の「epi(エピ)=上」と「dendron(デンドロン)=樹木」が語源で「樹上」という意味を持ち、エピデンドラムが樹に着生して育つことから名付けられました。
その自生地は草原、樹上、岩場、海岸の砂地など様々で、また標高も低地から高地まで広く分布し、そのため種によって性質は大きく異なり、花姿はかなりバラエティーに富んでいます。
千差万別、様々な花姿をしているエピデンドラムなのですが、大まかに2つのタイプに分別されています。一つは肥大するバルブを作らず茎が棒状に長く伸び、その茎に多くの葉と頂上に多数の花を付ける長茎種タイプ。もう一つは茎がずんぐりと肥大してバルブをつくり、その頂点に数枚の葉と花を付ける短茎種タイプです。
ご覧いただいてお分かりと思いますが、今回頂いたのは長茎種タイプのエピデンドラムですね。これに限らず一般にエピデンドラムというと、棒状の茎を1m以上伸ばす長茎種で、その頂上にたくさんの小さな花がかたまって咲く「エピデンドラム・ラディカンス(Epi.radicans)=エピデンドラム・イバグエンセ(Epi.ibaguense)」という原種を中心に改良された“ラディカンス系”と呼ばれる系統が主で、その多くは“リードステムエピデンドラム”という園芸品種だそうです。
ランの仲間にしては花が小さく豪華さには欠けるかもしれませんが、ラディカンス系の品種は丈夫で初心者にも育てやすく、一輪一輪は小さくとも花を咲かせながら更に茎が伸び、上へ上へ蕾を作っていくので、長い時には3ヶ月以上も花が楽しめます。また、元の花色はオレンジ色が主でしたが、品種改良が進むにつれ白、赤、ピンク、黄、緑、紫、複色など種類が増えて、今では色とりどりの花を楽しむことができます。
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