神経痛私考4

神経痛私考4

<突出した椎間板はなぜ消えるのか>
 まだ確定的なことはわかってないのですが、「干し柿理論」というのがあります。柿を取って干しておくと干し柿になるわけですが、このような状態になると前の柿とはたんぱく質が変性して別のたんぱく質になります。
 椎間板も同じで突出してしまうと、栄養の代謝がうまくいかなくなって干し柿のように別のたんぱく質に変性してしまうのです。異種タンパクといって、今までに体の中にあった仲間のたんぱく質とは違い、別のたんぱく質に代わるわけです。
 こうなるとこれは仲間のたんぱく質と違う=敵という認識になります。こうなると免疫系が活発になり、マクロファージとかNK細胞というような貪食細胞が出てきて食べてしまうのです。よって、消えてしまうということになります。

<では、鍼をしなくてもなくなるのでは>

 こういう免疫機能が正常に機能していれば、突出した椎間板は自然に消えて神経、神経根などへの圧迫症状が消え症状がなくなることになります。
 前述のスイス人は1年間も症状も椎間板も消えなかったのですが、鍼をしたら消えてしまったのです。もちろん、鍼で突出した椎間板を突いたわけではありません。
 免疫機能は人により活発な人と不活発な人がいらっしゃいますが、かのスイス人は病気がちで元気がないばかりか食欲旺盛で非常に活力的な人でしたので全身的な免疫機能が衰えていたというわけでは全くありません。
 椎間板が突出している局所の血流が悪いとか筋肉が異常に緊張して血管やそれをコントロールしている自律神経を圧迫すると免疫機能も他のいろいろな機能も部分的に十分な働きをしなくなります。

<鍼をすることによって椎間板ヘルニアが治る機序>

 鍼をすると、全身的に血流が良くなると同時に自律神経系も賦活しますし、局所では筋肉の緊張を取って神経・血管への圧迫をなくすために血流と免疫機能などが正常に働くようになります。こういう機序によって、鍼をすると突出した椎間板がなくなると考えられています。
 しかし、当時学会などで椎間板ヘルニアは鍼で治ると言ったら「小川は大ぼら吹き」と悪口を言われたものです。今はだれでも椎間板ヘルニアは鍼治療で治るし、場合によったら何もしなくても自然治癒力で治ることもあることが分かっています。それでも鍼をすると自然に治るよりも早く治るのです。
 しかし良いことだけではありません。鍼治療によっても治らない椎間板ヘルニアがあります。 続く

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