神経痛私考6(画像診断はあてにならない考)

神経痛私考6(画像診断はあてにならない考)

<画像診断はあてにならない?>
 今から30年ほど前では種々の医学会なのでお付き合いしていただいていた医師の先生方はほとんどが画像を読むことができないか不得意でありました。そのような教育を受けていないので当然といえば当然です。しかし、今の医学教育は全く違いますし、教育を受けてなかった医師も研修で会得しているはずですので画像診断ができない医師はほとんどいないといってよいと思います。よって、誤読による誤診もほとんどないのではないかと推察されます。ではなぜ目で見える形で非常に客観的に診断できる画像診断があてにならないのでしょうか?

<痛くなくても画像診断で異常があることが多い>

 腰が痛い、腰から足にかけてしびれるといった症状を持つ人は大変多く、ほとんどは脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、腰髄あるいは馬尾神経腫瘍、後縦靭帯骨化症、そして座骨神経痛という病名がつけられています。MRIやCTなどの画像診断によってつけられたものやX線だけのものなど様々です。
 しかし、MRIやCTを撮っても何ら画像に異常がない人も実はたくさんいらっしゃるのです。

<整形外科の権威が腰痛に整形外科医よりも鍼灸師の方が役に立つと述べた>

 整形外科で腰痛の権威と呼ばれる福島医科大学学長の菊池臣一先生はご講演の中で非特異的腰痛(交通事故やスポーツ障害などの外傷で起きた腰痛でなくぎっくり腰も含めて通常に起きる腰痛のこと)に対しては整形外科医は無力で、鍼灸師の方が数段役に立つと述べられました。
 その根拠は、「腰痛がある人と、腰痛がない人を無作為に画像診断すると同程度に脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどの異常が見つかる」ということで、「たとえ、腰痛で画像上で異常が見つかっても、それが現在の痛みの原因かどうか画像だけではわからない」ということになります。実際に画像上の異常が見つかり、それに基づいて手術を行った結果、手術前よりも悪化した症例は無数にあることからも証明できます。
 一般的に腰痛は骨格などの構築学的な異常で起きることは少なく、むしろ筋肉や靭帯などの軟部組織の異常(主に疲労・緊張・萎縮)によって起きることの方がはるかに多いのですが、軟部組織の異常のほとんどはCTやMRIでも見つけることが難しいからです。

<整形外科は外科である>

 当たり前のことかもしれませんが、整形外科は外科です。私が病院(久我山病院)内に鍼灸治療室を開設していたころですが、整形外科ともいろいろ親しくしていただきました。そこでの症例検討会で、交通事故で複雑骨折を起こした患者さんでしたが、それは詳しく熱心に討論されてました。そこで初めて整形外科医は外科医なのだということに気付きました。以前、学会である整形外科医が雪が降った日にニコニコしているので、「雪で転倒する人が多くなり患者が増えるので喜んでいるのですか?」と冗談半分に申し上げたら、患者が増えることではなく、転倒で複雑骨折など整形外科医として本領を発揮できる患者が増えるのでうれしいのだとおっしゃっていたことを思い出しました。 つづく

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