<不妊症と鍼灸治療-1>
<大河ドラマで灸の指導>
もう10年ほど前になるかと思いますが、NHKから日曜日の大河ドラマでの灸をする場面の指導を依頼されたことがあった。前田利家が主人公のドラマで、前田利家を唐沢寿明 さん、豊臣秀吉を香川照之さんが演じていた。指導をしたのは灸好きな豊臣秀吉に前田利家が灸をする場面でした。灸の煙が画面に映るようにとのことで大きいモグサで灸をすえることにして、香川さんの皮膚には肌色のテープを張って火傷防止をしたのですが、少し焼痕を作ってしまいました。男性とはいえ役者さんの肌を傷つけるというのは大問題なので平謝りものでしたが、香川さんには気持ちよく許していただきましたし、むしろ感謝されました。さすがに家柄の良い好青年と思いましたが、この時「そうか、あの時の息子さんか」ということを思い出しました。
<杏林堂で不妊治療をして、成功した>
香川さんのお母様である浜木綿子さんは以前父が院長時代に杏林堂で不妊の鍼灸治療を受けていらっしゃいました。私は当時まだ下っ端で一生懸命訓練をしながら雑用をこなしていましたので直接治療にタッチしたことはありませんでしたが、灸治療は補助的に浜さんにもしておりました。当時は芸能人やらスポーツ界、政財界など多くの人が来院しており、杏林堂での出会いをTV、ラジオ、新聞などで多くの有名人が話をしたり、書いたりもくださいました。
女優さんもたくさんいらしてましたが、浜木綿子さんはその中でも美しく、かつ気さくな方でスタッフの中でも人気者でした。下っ端な私はこの詳細はもちろんわかりませんが、この香川さんがその時のお子さんの可能性が高いと気が付いたわけですが、この不思議な縁については何も申し上げませんでした。
<鍼灸で不妊に効くのか?>
現在では西洋医学において様々な不妊治療が施され、一昔前では到底不可能だった妊娠が成功している事例は沢山あります。特に結婚が高齢化して、高齢者の不妊問題が深刻化しているのはご存じの通りです。鍼灸はもちろん体外受精などの手法はあるわけではなく、女性に鍼灸を行うだけしかできません。もちろん、不妊の原因は女性のみにあるわけでなく男性にも均等にありますが、50%ずつではありません。大雑把に言えば、男女それぞれに原因がある場合が40%ずつ、男女ともに異常がないのに妊娠できない場合が20%と言われてます。男性型の不妊も鍼灸で治療しますが、女性に比べて非常に少ないのが実情です。多分、男性の場合恥ずかしいとかみっともないというような気持が先行してしまうせいではないかと考えます。
それはともかく、西洋医学で画期的な不妊治療が施されているのに不妊に悩む夫婦は無数にいられ、鍼灸治療の門をたたく人も非常に多いのが現状です。
特に男女ともに異常がない場合には西洋医学には治療法はありません。もちろん体外受精など試みることはできるとは思いますが。
鍼灸は、このような場合には特に有効ですし、女性機能の賦活にも効果的です。
・・・・詳細は 続く
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