脳腫瘍の初期・中期では頭痛はない!!?―5
<脳腫瘍の痛みの特徴>
脳腫瘍の初期には頭痛がある事はほとんどないと申し上げました。が、中期以後には頭痛が出ることはもちろんあるわけです。脳腫瘍の頭痛の特徴は1、Morning Headache 起床時の頭痛 2、牽引痛(首を振ると痛む) 3、徐々に悪化する(階段状の悪化)の3つがあります。
病院で鍼灸治療室を開いていた時の話ですが、2週間前から突然起床時に頭痛が出て治らないという中年女性の患者さんが見えました。4・5回治療したけど思わしくなかったので、最新のMRIとCTが病院に入ったばかしなので脳神経外科を紹介しました。脳腫瘍の痛みにMorning Headacheがあるからですが、脳腫瘍の痛みは突然起きることはなく3の徐々に悪化する、ということなので鼻っから疑ってはいなかったのですが、何事も例外がありますので最新の機器が入ったこともあり念のため撮っていただいた、というわけです。
<TVの影響は怖い>
その結果、案の定全く異常なしでした。ところがその結果を聞いたら当の患者さんはすっかり治ってしまったのです。そこで詳しく、お話を伺ってみると、TVで脳腫瘍の話をしていて自分がたまに起きる症状とそっくりだったので、気になってしょうがなくなったら頭痛が始まったというわけです。はじめっから脳外科に受診すればよいものの「怖い」から受けられなくて、「鍼灸で治るのならば」ということでいらしたということでした。
<心理的原因で実際に痛みが起きる>
「脳腫瘍ノイローゼ」とか「癌ノイローゼ」等という言葉がありますが、脳腫瘍や癌、心臓病などを気にすぎてその症状が出てしまう精神的な病気ですが、TVを見てそうなった人も同様です。そして問題なのはその状態が長期にわたると本当にその病気になってしまうことがあるということ大問題です。
<TVは事実を報道するのではなく視聴率を稼ぐことが使命>
TVは視聴率を稼ぐことが使命ですから、面白おかしく番組を構成します。ですからまったくレア(滅多にない)な病気をさも当たり前にある病気のように取扱い「怖さ」をあおるようなこともします。私は以前何回かTVに出演していますし、1時間番組にフルに出たことさえあります。しかし、10数年前よりTVからのオファーがあまりにもひどい(鍼灸を真面目に取り扱わない)ので3件ありましたがすべて断りました(以後全くオファーはなくなりました)。真面目に扱ってくれた1時間番組でも面白くするために事実と違う内容に変更されたりして、私は娯楽TVを全く信用してません(報道と中継は別、NHKも例外ではない)。
このMorning Headacheの患者さんの後、そのことを知ったので、その疑いがある患者さんに聞いてみるとそういう人が沢庵いる事が分かりました。気にする人は医学関連の娯楽番組は決して見ない方が無難です。 つづく
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