神経痛私考13(最も大事なのは技術よりも病態把握力と鑑別力)

神経痛私考13(最も大事なのは技術よりも病態把握力と鑑別力)

<やはり技術が重要>
 前回で述べたようにどこにそのように刺しても片頭痛・緊張性頭痛・腰痛・膝痛に関しては西洋医学の標準的最新医療よりも有効性・経済性・安全性のすべてで優れているとはいっても、より効くツボの見つけ方、障害されている筋肉や靭帯などの部位を診断し治療できる知識・技術などが重要なことは言うまでもありません。

<痛くなく、熱くなくする技術はもっと重要>
 有効性もさることなく、痛くなく刺す技術や熱くなく灸をする技術も患者さんの満足度を高める、あるいは患者さんの支持を得るには重要な技術です。治療の有効性よりもこちらの方がもっと重要です。痛かったり、熱かったりで患者さんが不快になれば交感神経も高まり、痛みの感受性もより高くなって逆効果です。
当院ではたとえ免許を有しているからと言って、患者さんの治療をさせるあるいは助手をさせることは一切いたしません。数段階に分けて実技試験を行い合格した者が段階的に治療に参加していくというスタイルを用います。
例えば、灸をするにしても当院の基準に合格するには20代前半で毎日数時間トレーニングして半年くらいかかりますし、40代だと2年くらいかかることもあります。学校卒業レベルではただ熱いだけでなく、灸痕を残したり、火傷にしたりしてとてもプロとして仕事をさせるレベルではありません。
当院院長代行の北川先生は、鍼灸学校の教員養成施設で長年鍼灸基礎技術の指導教員でしたので、その技術は一級品です。

<最も重要なのは病態把握力と鍼灸適応の鑑別力>

「神経痛」という病名はなく、当該神経に沿った痛みがあって、その痛みの原因が不明な場合につける便宜的な名前であることを申し上げました。だからたとえ医療機関でつけられた病名でも、それは病気の本体を表している病名ではなく、保険申請上につけられた便宜上の「病名」ということになりますさい、その本当の原因が分かっていないということになります。
 鍼灸治療に当たっては、「神経痛」の原因を突き止める必要があります。「この痛みは何が原因で起きているのだろうか?」ということです。これが適格にできなければ、鍼灸治療で治るのかどうか(鑑別)はもちろん、治療継続していて問題はないのだろうか?(緊急に手術などをしなければ死に至る可能性のある病態の可能性があるのではないか?)など様々な判断ができません。
 一番避けなければならないのは、病態把握と適応の鑑別なしに漫然と「鍼灸治療をしていて手遅れにさせてしまった」ということです。この病態把握学と鑑別診断学は鍼灸学校(大学も同じ)のカリキュラムにはほぼありません。
 院長の小川は東京衛生学園(鍼灸専門学校)の免許取得者を対象とした臨床教育専攻科(教員養成施設)でこの病態把握のための病態生理学と鑑別診断学を教えています。そして、この臨床教育専攻科を卒業して、教員になったり開業したりしている人へ「最も役に立った科目は何か」というアンケートでは「鑑別診断学」が第1位で「病態生理学」が3位でした。2位は教育実習ですから座学では1・2位を占め、以下はぐっと下がりますので、教育及び臨床の現場でいかに大切で実際的な学問かわかりますし、何故鍼灸師の免許を取得する学内教育にほとんど含まれないのか疑問です。つづく

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