<鍼灸治療で鬱病が治るか?―5>

<鍼灸治療で鬱病が治るか?―5>

 

<鍼灸治療では劇的に効くこともある>

 鍼灸治療は、何回か治療を重ねて少しずつ良くなっていくというイメージをお持ちの方は多いと思います。それは、たぶん慢性の症状を治療することが多いからではないかと思います。西洋医学の治療を受けたけれども治らなくて鍼灸治療を受診した、というケースが以前は多かったからです。「慢性」というのは、言い換えると「治らなかった」という意味ですので、慢性の症状を改善すること自体大変難しいことなので、少しずつでもよくなればVery good なのです。ですから急性症状には劇的に鍼灸が効くことも多々あります。

 

<一回の治療で劇的に良くなった?症例>

 「50歳の男性の消化器外科助教授(医師)で5年前より不眠・早期覚醒が起こり、鬱気味になり回復と悪化を繰り返していたが、3ヶ月前より症状が悪化して、2週間休職して職場に復帰したが倦怠感が強く、疲れやすく、便秘などの症状があり、体重が3㎏減った。抗鬱剤と精神安定剤を服用中」という患者さんが見えました。一目で鬱をわかるほど元気なく、うつむいていて声も小さかった方です。治療が終わってお着替えになって受付に戻られたときに「いやあーみんな元気ですか、楽しいですね」と大きな明るい声で話され、顔色もよく全く別人に見え「誰だこの人」と一瞬戸惑い、先ほどの鬱の患者さんだと気が付くのに数秒かかりました。

 もちろん、症状は劇的に良くなったように見えましたが、むしろ躁状態になっていたので、決してよくなったとは言えないのですが、一回の鍼治療で精神的な症状がこれほど劇的に変わったのは初めてだったのでびっくりしました。鍼灸治療でも精神疾患が劇的に治るかもしれないと思ったほどです。

 Dr.ブラックのように全国から患者さんが来るスター外科医なので大変忙しく、良くなると治療に来なくなり、いらした時は悪化しているという状態を繰り返して、こちらが希望する十分な治療ができないまま、来院されなくなったので最終的にどうなったかはわからなった症例です。

 

<鬱病のコントロールが効かなくなった症例>

 数百人を人を使う企業の50歳の社長(男性:二代目)で、双極性の症状を持っていて以前より時々鍼灸治療(疲労・睡眠不足などで)を行っていた患者さんです。躁状態の方が強く、今回はかなり重症なうつ症状で来院されました。鍼灸治療でどんどん良くなり、そのために抗鬱剤などの薬をご自分の判断で減量されましたが、症状が改善したので薬についてはコメントしませんでした。ただ、「この病気は良くなってもまた悪くなる可能性があるので、薬は嫌ならしょうがないけど鍼灸治療は良くなっても週一回来てください」と強く申し上げましたが、お忙しい身でもあり、良くなれば治療の優先順位はご自身の中でどんどん下がりますから、全くいらっしゃらなくなりました。そしたら半年後、その会社の秘書から電話がありました。 つづく

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