花材:ウイキョウ・アンスリウム・ヒペリカム・デンファレ・ドラセナ・レザーファン
今週は「ウイキョウ(茴香)」に注目します。ウイキョウは初夏~盛夏、花茎の先端から小枝が数本放射状に広がったその先に、黄色い小花が密集して咲きます。
料理の得意な方には「フェンネル(Fennel)」と言った方がわかりやすいかもしれませんね。ウイキョウはセリ科ウイキョウ属の多年草ハーブです。茎葉やタネに芳香があり、香辛料としてカレー粉の材料になります。また葉は「魚のハーブ(fish herb)」とも呼ばれていて、魚料理のスパイスによく使われています。
ウイキョウは、古くはローマ時代から栽培されてきた野草で、ヨーロッパからイスラム圏を経て中国に伝来し、日本には平安時代に入ってきました。イスラム教地域を経由したことから、「茴」の字にイスラム教徒(回教徒)を意味する「回」を用いて「回香」と書くこともあります。
ウイキョウの種子には風邪症状の緩和や消化促進の効果があるとして、ヨーロッパやインド、中国では昔から薬として利用されています。日本でも江戸の頃には種子を健胃・去痰薬などに用いるため、各地で栽培されていたそうです。今でも漢方薬の安中散には、ウイキョウが使われていますね。
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