花材:ガマ・ケイトウ・トルコキキョウ・ドラセナ・コンパクタ
蒲(ガマ)と言えば、因幡の白兎で有名な植物ですね。因幡の白兎は、日本最古の歴史書とされる「古事記」に記された出雲神話だそうです。古事記は学生の頃に一応読みましたけど・・・、ほとんど覚えてないですねぇ。ですが、おおよそこんな話だったでしょうか・・・
『隠岐の島から海を渡るために、サメを騙して利用した兎が、怒ったサメに毛皮を剥ぎ取られ、痛みのために臥せっていた。そこへ神様御一行が通りかかる。赤裸の兎を見た神様たちは、「身体を海水で洗って、山の上で強い日光と風に当たると良くなる」と兎にウソを教えた。教えに従った兎の傷は余計ひどくなり、痛みに苦しんで泣いていた。すると、最後に遅れて通りかかった神様が兎に声をかける。事情を知った神様は、「身体を真水で洗って、ガマの穂を敷きつめて、その上に寝転がれば、すぐに良くなる」と教えた。教えに従った兎は、見る間に元気になったとさ。』
ここに出てくるガマの穂が、今回の花材にいただいたガマですが、あの茶色いソーセージのようなものを敷きつめて寝転ぶと傷に良い・・・とは思えないなぁ。硬くて痛そうですよね。それより前に、あれは何? 花? 実? 種???
どうやら、ソーセージ部分は雌花穂だそうです。雌花穂のすぐ上、茎の先端部に槍の穂先のように尖っている物が雄花穂なのだそうです。雌花穂も雄花穂も花弁は無く、開花時には雄花の葯が破れて黄色い花粉が風に舞い、雌花の上に降り注いで受粉するのだそうです。
この黄色い花粉、開花期の雄花穂を採取して、日干しして乾燥させると簡単に集められるそうですが、実はこれが生薬の蒲黄(ほおう)であって、古来より止血・利尿・通経作用があるとされ、そのまま又は煎じて服用したり、あるいは傷口や火傷に散布して収斂性止血薬として用いたのだそうです。
神様がおっしゃられたのは、ガマの穂が良いということではなく、寝転がることでガマの花粉を傷口にくっつけなさいということだったのですね。
ちなみに、一般に「ガマの穂」と呼んでいるものは、ガマの雌花が咲き終わって結実しつつある姿なのだとか。秋には、この穂が破れてタンポポのような綿毛が飛び出し、風に乗って種が遠くへ運ばれていくのだそうです。
ガマのこんな姿は知りませんでした。ビックリ!
NHK for school の動画もかなり衝撃的でした。宜しければご覧くださいませ。
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005400776_00000&p=box
知りませんでした!
ためになりました。ありがとうございます!^^