花材:ラナンキュラス・ソリダコ・丸葉ルスカス・ゼンマイ・デコラマム・アルストロメリア・ゴットセフィアナ
春を感じさせる明るい色合いのお花をいただきました。中でもラナンキュラスは、いかにも春を思わせます。ラナンキュラスは学名をRanunculus asiatics、和名を花金鳳花(ハナキンポウゲ)と言い、キンポウゲ科キンポウゲ(ラナンキュラス)属に属する球根植物です。同じキンポウゲ科のアネモネと同様に、3月から4月頃に花を咲かせる春を代表するお花です。本来、秋に球根を植えて春に咲くものですが、今は温室で育てられ今頃の時期からでも売られているようです。
今回頂いたラナンキュラスは濃いオレンジ色。紙のように薄い花びらが幾重にも重なっているのが特徴です。花の開きはじめはシャクヤクのそれとよく似ています。バラも遠く及ばない花びらの多さですが、いったい何枚くらい重なっているものなのか?
種類にもよりますが、おおよそ100~200枚、多いものでは250枚にもなるそうです。このような八重咲きのものが人気ですが、一重のものやカーネーション咲き、花弁が丸まったカール咲きなど多くの品種があります。花色は単色の赤、オレンジ、白、ピンク、黄色などの他、紫や緑のものあり、花色が混じった品種もあります。花の大きさも様々で、今回いただいたものは6~7㎝ですが、大輪種では直径15㎝にもなるそうです。それで八重なら、いよいよシャクヤクですよね。
このように、近年、切り花用品種を中心に改良が急激に進み、豪華な花のイメージが定着しつつありますが、原種は草丈が30~50㎝ほどで花びらは基本5枚の一重咲きといったシンプルで可憐なお花だったそうです。キンポウゲ(ラナンキュラス)属の植物は世界に500種以上もあるそうですが、園芸でラナンキュラスと呼ばれているのはそのうちの1種、ラナンキュラス・アシアティクスを改良した園芸品種だそうです。アシアティクスとは「アジア産の」と言う意味ですが、原産地はヨーロッパ南東部あたりの地中海性気候の地域からトルコ、シリア、イランなど中近東まで広く分布しています。
ちなみに、ラナンキュラスという名前はラテン語でカエルを意味する「rana(ラナ)」に由来します。これはこの属の多くの種が、カエルの住むような湿地に自生すること、あるいは葉の形がカエルの足に似ていることからだと言われています。ですが、ラナンキュラス・アシアティクスは、その名に反して多湿が苦手です。過湿だと球根が腐ってダメになるし、かといって乾燥するとすぐに葉が萎れてしまうので、水はけが良く且つ水持ちの良い土壌が適しているのだとか。なかなかの我が儘さんですねぇ。
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