花材:ヒペリカム・モカラ・アンスリウム・トルコキキョウ・丸葉ルスカス・レモンリーフ
今週は赤い小さな実物、「ヒペリカム」です。ヒペリカムは学名をHypericum、オトギリソウ科オトギリソウ属の半常緑の低木です。オトギリソウ属はユーラシア大陸の温帯-亜熱帯を中心に約300種が分布しており、有名なところでは中国原産の「金糸梅(キンシバイ)H. patulum」や、「美容柳(ビヨウヤナギ)H. chinense」があります。また、金糸梅の改良品種である「大輪金糸梅(ヒペリカム・ヒドコート)H. patulum cv. Hidcote」や、交配された園芸品種もあり、それは多岐にわたります。
ただ通常、園芸店などでピペリカムの名で販売されているは、常緑で花や斑入り葉を楽しむヨーロッパ原産の「西洋金糸梅(ヒペリカム・カリシナム)H. calycinum」と、その交雑種の「ヒペリカム・モゼリアヌムH. moserianum」で、お花屋さんで見かけたりアレンジに使われたりしているヒペリカムは、主に実を観賞する「ヒペリカム・アンドロサエマム(H. androsaemum)」という品種だそうです。
ということで、今回頂いたヒペリカムは「ヒペリカム・アンドロサエマム」だと思われます。この種はヨーロッパの西部から南部が原産で、河岸や海岸沿いの岩礫地や灌木帯に生え、60~90cmほどの高さになります。そして梅雨頃から初夏にかけて黄色い小さな花を咲かせ、秋になると小さく可愛らしい実をつけます。その実は丸く光沢があるため、小坊主さんのクリッと丸めた頭に似ていると思ったのでしょうか? 別名「小坊主弟切(コボウズオトギリ)」と呼ばれることもあります。
実は初めのうち赤色をしていますが、熟してくると黒くなります。実の色には、赤の他にもピンク・白・緑などがあるそうです。また最近では、実つきがよく色の鮮やかな改良品種がでているそうです。実の色は色々なのに、ヒペリカムの仲間は大きさや形に多少の違いはあるものの、いずれも黄色い花を咲かせます。
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