今週のお花(コデマリ・デンファレ・オンシジウム・スナップ・ドラセナ・ピットスポラム)

花材:コデマリ・デンファレ・オンシジウム・スナップ・ドラセナ・ピットスポラム

 DSCN2978

今週は「コデマリ」です。雰囲気は雪柳に似ていますよね。

コデマリの枝垂れた細い枝には、1㎝に満たない小さな白い花が枝葉を覆い隠すほどびっしりと付きます。雪柳と違うのは、コデマリはその小さな白い花が20個ほど集まって、3㎝くらいの丸い花序を作ります。小さな花が丸く集まった花姿が手毬(テマリ)のように見えることから、「小さな手毬=小手毬(コデマリ)」と名付けられました。

コデマリの原産地は中国南東部で、日本へはかなり古い時代に渡来した帰化植物です。日本では江戸時代初期から観賞用として栽培されてきました。江戸時代以前は、白い花の塊が枝に鈴をかけたようだとして「スズカケ(鈴掛)」と呼ばれていました。また「テマリバナ(手毬花)」、「ダンゴバナ(団子花)」と呼ばれることもあったそうです。

コデマリは寒さ暑さに強い性質で、土質もあまり選ばず、剪定もほとんど必要がないなど、手入れがしやすく初心者でも育てやすいため、古くから庭木として親しまれてきました。また生け花の材料や茶花として利用され、春を感じさせる代表的な枝物でもあります。

コデマリは学名をSpiraea cantoniensisといい、バラ科シモツケ属の落葉低木です。樹高が1~1.5mとあまり大きくならないので、広くない日本の庭事情にフィットしたことも親しまれた理由かもしれませんね。

コデマリの属するシモツケ属は北半球の温帯に100種ほどが分布します。似ていると思った雪柳もシモツケ属の仲間だそうです。オオデマリというコデマリの大輪種かと思わせるような名前の花木がありますが、こちらはスイカズラ科に属する全く別の植物だそうです。

コデマリは4月から5月に開花し、秋には紅葉して、冬は葉を落とします。花の後には中に種子の入った袋状の果実(袋果)がなり、熟すと果皮が自然に裂けて種子が放出されます。属名のSpiraea(スピラエ)はギリシャ語の「speira=螺旋(らせん)」が語源で、果実が螺旋状になるものがあることから名付けられたそうです。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。