神経痛私考-2

<椎間板は加齢で干からびる?>

 腰痛でレントゲンを撮って椎間が狭いから椎間板ヘルニアという診断をつけることが多いと私考-1で書きましたが、その狭いことで確かに椎間板が突出したのかもしれませんがそれが今なのか過去なのかはわからないし先天的に椎間が狭い(=椎間板が薄い)人だったかもしれないということも書きました。椎間板はゴム状になっていてクッションの役目をしているのですが、年齢と共にひからびて(水分が減って)薄く、硬くなってきます。

 よって、加齢によって身長が低くなる最も大きな原因になってます。そして、硬くなるので突出することは少なくなって来るのですが、70歳以上の高齢者にも椎間板ヘルニアという診断をつけてくる医師がいるのにはびっくりします。もちろん稀にはあるのかもしれませんが。むしろ椎間板は割れてしまいます。

<突出した椎間板によって>

 では、突出した椎間板はどうなるのでしょうか?突出した椎間板によって神経根や脊髄が圧迫されて起きる神経根症、脊髄症という病気があります。

 脊髄症は椎間板や腫瘍、靭帯が固くなるなどで脊髄を圧迫して起きる病気で、圧迫の部位から圧迫の程度にもよりますが、それより下の部分、例えば首(頸髄)で圧迫されていると手と同側の足にも障害が出ますし、歩行障害や小便・大便の異常やEDになるなどの障害も出ることがあるほどの重篤な病気です。

<神経根症とは>
 神経根症では足の障害や便通異常などの内臓的な症状は出ません。ヘルニアが主な原因で圧迫した神経根に関係する領域に症状が出ます。首ならば(頸椎神経根症)片側の上肢や手・指に痛みやしびれなどが現れます。
 そういった病態ですから一見手術して圧迫しているものを取らないと治らないように思えます。しかし、実は手術ではあまりうまくいかないのです。

<椎間板ヘルニアで手術した場合としない場合ではどっちが良いの>

 椎間板ヘルニアで腰痛を起こした患者さん達を手術する群と鍼治療や鎮痛剤などの保存療法(手術しない療法)に均等に分けて、術後、1年後、5年後、10年後と両群を追っかけて比較してみると、5年未満では手術した群の方が状態はよろしいのですが、5年後になるとほぼ拮抗し、10年後には手術以内保存療法の群の方が状態が良くなります。
 手術をすれば、当然筋肉・血管・神経などを切断してしまいますのでその部分には障害が残ります。事実手術をした部分は非常に硬くなり、鍼を刺入するのが大変になるくらいになります。そしてそれは何をしても治りません。これらの影響によって筋肉などの衰えが手術をしない人に比べて大きくなることによって腰が弱くなることが考えられます。

<手術をしても長く持たない例>
 プロ野球の投手がひじを痛めて手術する例がたくさんあったことはご存知の方も多いでしょう。これはヘルニアとは違いますが、ひじに負担のかかるフォークボールやカーブなどを多投することによる肘の靭帯・腱の障害で起きます。この傷んだ靭帯や腱を体の他のあまり投球に影響のない部分から持ってきて置換するのですが、大体2年くらいでまたダメになってしまって引退を余儀なくされている人がなんと多いか記憶を呼び起こしてください。例外もあります。レッドソックスの上原投手は手術すらしてません、驚異的です。

<手術しなくても椎間板ヘルニアは治るの?>

 よって、最近では椎間板ヘルニアでの手術はよほどでない限り手術をしない方向になってます。ではなんで神経・神経根や脊髄が圧迫されているのに治っていくのでしょう。続く

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