今週のお花(バーゼリア・アオモジ・オクラレウカ・スプレーマム・トルコキキョウ・フリージア・レザーファン)

花材:バーゼリア・アオモジ・オクラレウカ・スプレーマム・トルコキキョウ・フリージア・レザーファン

DSCN1994

今週は「バーゼリア」という名のお花をいただきました。“お花”と書いておきながら、この丸いものが花なのか実なのか? 葉の形や枝振りを見るとスギに似ていて、この丸いものも杉の先端に付いている雄花っぽいような気も・・・? 初めてお目にかかりましたので、どういうものであるのかさっぱりわからないまま何となく生けてしまい、後から、もしこの丸いのが蕾で、この後大きな花が咲くようなことがあったらゴチャゴチャになっちゃうぞ~と気になって、遅ればせながら調べました。

DSCN2000

バーゼリアはスギに似ていますが、ブルニア科ベルセリア属に属する半耐寒性常緑低木(樹高50~200cm)で、植物学的にはバラ科に近い植物だそうです。茎の先端にある球状のものはやはり蕾でしたが、これがグワッと開いて1つの大きな花が咲くものではなく、球の表面にあるゴマ粒くらいの大きさの粒々1つ1つがすべて蕾で、これが開花すると球の表面に白くて小さい花がたくさん咲くので、遠目には白くてかわいいボンボンのようになります。

images (1)

蕾の時でも花が咲いた時でもどちらでも、ま~るい形がかわいいので、アレンジメントによく使われるそうですし、花が咲いた白いボンボンはウエディングブーケによく合いますよね。乾燥させて使うこともできるので、クリスマスリールの材料にも良いようです。バーゼリアは南アフリカ原産ですが、今は主にオーストラリアで栽培されていて、日本へも花材として輸入されています。

バーゼリアは学名をBerzelia lanuginoseと言い、スウェーデンの化学者イェンス・ヤコブ・ベルセリウス(Jöns Jacob Berzelius:1779年8月20日生~1848年8月7日没)に因んで付けられた名前なのだとか。ベルセリウスとは、近代科学の礎を築いた人物の1人だそうです。彼の科学における最も大きな功績は、正確な原子量の決定だと言われています。当時、各研究者が使っていた原子量の値はそれぞれに異なっており、それが原因で混乱が生じていました。ベルセリウスの発表した原子量の値は、現在の値とほぼ一致するほど正確なもので、これによって化学が急速に発展したと言われています。もう1つの大きな功績は、元素記号の提案です。今でも使われているラテン語またはギリシャ語の名称のアルファベット頭文字で表す方法を1813年頃に提唱し、現在までにいくつかの改定や修正は行われましたが、概ね継承されています。それ以外にも、セリウム(Ce)・セレン(Se)・ケイ素(Si)・トリウム(Th)の4つの新しい元素の発見に関わり、またハロゲン・異性体・同素体などといった今も使われる多くの化学用語を提案したのもベルセリウスなのだそうです。

このようなベルセリウスのたくさんの功績はわかったのですが、いつどうしてベルセリウスの名に因んだ名前が花につけられたのか、残念ながらその経緯はわかりませんでした。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。