今週のお花(ユーカリ・フリージア・スターチス・トルコキキョウ・カーネーション・スプレーマム・ゴットセフィアナ)

花材:ユーカリ・フリージア・スターチス・トルコキキョウ・カーネーション・スプレーマム・ゴットセフィアナ

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ユーカリをいただきました。以前にも葉っぱがハートの形をしたポポラスというユーカリの仲間をご紹介しました。今回のユーカリは、観賞用に普及しているユーカリの中で、一番よく見る品種ではないかと思います。白い粉が吹いたような白銀色の丸い葉が特徴で、銀丸葉ユーカリかな?と思ったのですが、日本では原種の銀丸葉ユーカリには中々出会えないそうなので、園芸種のシルバーダラーと呼ばれるものだろうと思います。

皆さんご存知のように、ユーカリの原産地はオーストラリア。それ以外にもタスマニア島やニュージーランドにも生息していて、その仲間は600種以上。変種も含めれば800~1000種もあるそうです。ユーカリと言えば、コアラが食べる葉っぱというイメージがありますが、ユーカリなら何でも食べると言うわけではなく、そんなにたくさんあるユーカリの種類の内、コアラが食べるのは40~50種だけだそうです。しかも、コアラはオーストラリア全土に生息しているわけではなく、東海岸沿いの南北に細長く伸びる極一部の地域にのみ生息しています。コアラに種類があることは知りませんでしたが、北からクィーンズランド、ニューサウスウェールズ、ビクトリアの3亜種があるのだそうです。ただ、近年これらの遺伝子には差異がないことがわかり、けれど形態にはかなり違いがあるので、クィーンズランドとニューサウスウェールズを北方系、ビクトリアを南方系と分けて呼んでいるそうです。そのようにコアラは限られた地域に生息し、樹上で生活していて個々の行動範囲は狭く、自分が生息する地域に育つユーカリしか食べないので、結果、それぞれのコアラが食べるユーカリの種類は14種ほどになるのだとか。更には、ユーカリの新芽の部分しか食べませんし、同じ種類のユーカリでも栽培地が違うと味が違うのか食べないこともあるそうです。・・・コアラってば、どれだけ偏食なんだか。

そんなにこだわるのですから、ユーカリの葉はさぞかし栄養価が高くて美味しいのだろうと思いきや、昆虫や動物に食べられるのを防ぐため、タンニンや油分が含まれていて消化が悪く、一般に動物の餌としては適さないそうです。しかも栄養価が低く、いくら食べてもあまりエネルギーにならないそうで、それどころか毒性のある青酸が含まれているのだとか・・・。天敵のいない樹上で暮らし、他の動物と取り合いをしなくて済むようユーカリを餌に選んだのでしょうけどねぇ。

察する通り、ユーカリだけでエネルギーを賄うのはとても大変だったようで、コアラは長い年月をかけて自分の体をユーカリに合わせて進化させてきたそうです。人間では退化してしまっている盲腸ですが、コアラはこれを大きく進化させ、2m近い盲腸の中に青酸毒を解毒する酵素を獲得しました。また、消化しにくいユーカリの葉の消化を助ける腸内細菌が住み着き、栄養分として吸収できるようになりました。しかし、ようやく得られたエネルギーの2割は解毒する時に使われてしまうので、残りの少ないエネルギーを無駄遣いしないように、一日20時間近く寝るかジッとして過ごし、動く時もゆ~っくり動くのだそうです。

一方、ユーカリからすると葉っぱを奪う物は敵ですから、なんとか食べられないようにタンニンや油分を含むなど、こちらはこちらで様々な進化を遂げてきました。それでも諦めなかったコアラに対して、最近一部のユーカリが有袋類に強い毒性を持つ化合物を生産し始めたのだそうです。これではコアラは絶滅してしまう!と思いきや、コアラも負けじとそれを解毒する機構を獲得しつつあるのだそうです。

日がな一日寝て過ごし、の~んびりと、いかにも平和に暮らしているように見えるコアラですが、それには生きるための理由があり、ユーカリとの間には未だに種の存続をかけた静かな闘いが繰り広げられているのですね。

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