花材:マーガレット・フリージア・スイトピー・菜の花・ピンポンマム・麦・丸葉ルスカス・レザーファン
今週は「マーガレット」です。白花の一重咲きが素朴で可愛らしく清楚な感じがしますね。私はやったことありませんが、花びらを1枚ずつ好き、嫌い、好き、嫌い・・・とちぎっていって、最後の1枚が好きになるか嫌いになるかで相手の気持ちを占う恋占い、あれに使われる正式な花はマーガレットなのだとか。マーガレットはそんな初々しい恋心を思わせるイメージなのでしょう。欧米では結婚式のブーケに必ずと言っていいほど使われるそうです。
マーガレットは学名をArgyranthemum frutescens(=Chrysanthemum frutescens)といい、アフリカのモロッコ沖にあるカナリア諸島が原産のキク科キク属の多年草です。17世紀末にヨーロッパへ渡り、主にフランスで園芸用に品種改良されたことから、西欧では「Paris daisy(パリ・デージー)」とも呼ばれます。
日本には明治時代に渡来しました。マーガレットは高温多湿、寒さに弱く、初め日本の気候では育てにくかったようですが、大正時代になると露地栽培の方法が確立されて、関東より西では霜に当てなければ戸外でも冬越しが可能になり、温暖な太平洋沿岸で栽培されるようになりました。
マーガレットは何年も経つと地面に近い茎が茶色くゴツゴツして木の樹皮のようになります。また、若葉が春菊に似ていることから、和名ではモクシュンギク(木春菊)と呼ばれます。
渡来当時から栽培される“在来白”というフランスで改良された園芸品種が、マーガレットの代表品種です。私たちがマーガレットと思っているのは、多分この品種だと思います。野生種に比べると花が大きいそうです。その他、“在来黄”と呼ばれる一重の黄色い花を咲かせる品種や、シュンギク(春菊)やハナワギク(花輪菊)と交配させた品種などがあります。野生種には白か黄色の一重咲きしかありませんが、園芸品種には丁字・八重・ポンポン咲きなど多様な形があり、花色も白・黄以外にピンクやオレンジがあるそうです。
マーガレットという名は、ギリシャ語の「Margarites(マルガリーテス)=真珠のような」が由来だそうです。白い花姿が真珠のように清楚で美しいことから名付けられたのでしょう。
余談ですが、ギリシャ語のMargaritesからラテン語ではMargaritamとなり、仏語ではMarguerite、英語ではMargariteになったとされています。ですから、よくある女性の名前のMargaret(マーガレット)とかMarguerite(マルグリット)というのは、日本語で言うと”真珠ちゃん”という感じでしょうか。とてもきれいな名前ですけど、私などでは完全に名前負け。ですが、かつて“鉄の女”と称されたのはイギリス初の女性首相サッチャーさん。彼女のフルネームはマーガレット・ヒルダ・サッチャー。・・・負けていませんよね。
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