花材:京鹿子・ドウダンツツジ・ブラックベリー・オンシジューム・カーネーション・スプレーカーネーション・ナルコラン・ドラセナコンパクタ
今週は「亰鹿子 キョウガノコ(キョウカノコと読む場合もある)」をいただきました。枝先に小さな粒々の蕾をたくさん密集してつけています。少し咲き始めている花は鮮やかな紫がかったピンク色、蕾同様にとても小さな5弁のお花です。葉っぱは一見キイチゴに似て、手のひら状に5~7つに分かれています。分かれた葉先はそれぞれ尖っていて、縁には鋭い鋸歯があります。
亰鹿子は学名をFilipendula purpureaといい、バラ科シモツケソウ属に属する宿根草です。京鹿子は根っこが玉を糸でつないだように見えるので、ラテン語の「filum(糸)」+「pendulus(吊り下がる)」が語源となって、Filipendula(フィリペンジュラ)という学名が付けられたそうです。種小名のpurpureaは、紫色の~という意味で、紫紅色の花をつける京鹿子の特徴を言い表しています。
また、和名の京鹿子という名は、小さな絞り目が集合した模様が子鹿の斑点のように見えることから「鹿の子絞り(かのこしぼり)」と呼ばれる京都の伝統工芸である絞り染めの一種に、細かい花をつけた花序が似ていることから付けられたのだそうです。
亰鹿子は日本が原産のお花です。ただ、自生地が確認されていないところから、酷似している野生種のシモツケソウが変異したものか、あるいはシモツケソウとコシジシモツケソウの雑種ではないかと考えられています。さらに変種とされる白花の品種もあり、こちらは夏雪草(ナツユキソウ)と呼ばれます。
日本原産のお花に似つかわしく、やさしく素朴な“和”の風情があり、茶花としても使われます。古くから園芸植物として日本の庭に植えられてきました。耐寒性があり涼しい気候を好みますが、高知のような暖かい地方でも花を楽しむことができます。耐陰性もあるので、日当たりのあまり良くないところに植えても育ちます。
京鹿子の開花は6~7月、鬱々とした梅雨の時期、アジサイとともに心和ませてくれる花のひとつです。
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