今週のお花(アワ・デンドロビューム・カンガルーポー・ピンポンマム・アルストロメリア・利休草・ピット)

花材:アワ・デンドロビューム・カンガルーポー・ピンポンマム・アルストロメリア・利休草・ピット

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 今週は「アワ」をいただきました。そうです、皆さまご存知の雑穀のアワ(粟)です。穀物としての黄色い粒々のアワは見たことも食べたこともありますが、実物は初めて見ました。フサフサした穂が特徴です。さわやかなイエローグリーンが、とてもキレイですよね。その他にも黄金色や赤褐色に色づいたアワもあって、季節感を演出する花材としてよく使われるそうです。

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アワの学名はSetaria Italicaといい、イネ科エノコログサ(狗尾草)属の一年草です。エノコログサと聞いてもピンときませんが、ネコジャラシと言われれば、あぁあの道端に生えているモサモサした雑草ねとお分かりになる方が多いのではないでしょうか。エノコログサは東部アジア、シベリアからヨーロッパ、アメリカ北部まで広く自生していて、栽培アワとよく交雑し、簡単に種子をつけることができ、アワの原型ではないかと考えられています。アワの原産地は詳細不明なのですが、東~中央アジアと推定されていて、一部には中国でエノコログサから作り出されたとする説もあります。日本へは朝鮮を経て渡来し、縄文時代前期には既に栽培されていて、その痕跡が縄文時代の遺跡から発見されているそうです。このように、アワはヒエと並んで我が国最古の作物で、イネの栽培が始まる以前からヒエと共に重要な食料であったと考えられています。

昭和の初め頃までは、イネの栽培ができない山村で、主要な食糧として盛んに栽培されていたそうです。山村の近代化と共に雑穀栽培は衰退してしまいましたが、健康志向からその栄養成分が再評価されて、近年また米に麦・粟(あわ)・黍(きび)or稗(ひえ)・豆を混ぜた五穀米などが食べられるようになりましたよね。以前食べた粟餅はとても美味しいものでした。麦飯も好きですし、色んな雑穀が混ざった雑穀米も歯ごたえがあって私は大好きです。ですが、白米が食べられなくて雑穀を食べていた母の子供の頃は、今と違って麦の中にほんの少し米が混ざった麦飯だとか雑穀だけを食べたそうで、とても不味かったという思いが強く、晩年も決して麦飯や雑穀米を食べようとはしませんでしたね。

アワにはタンパク質、脂質、ビタミンB1、B2、食物繊維、鉄分などが白米より2~3倍も多く含まれています。また体を冷やす作用があって、漢方では胃熱による吐き気や口の渇きを止めるのに効果があると言われています。

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