花材:千両・若松・葉牡丹・オンシジューム・ピンポンマム・スプレーカーネーション
明けましておめでとうございます。年始1番は、お正月らしい松と千両です。
生前、母がお正月の花を生ける時期になると、決まって「これは千両だっけ?万両だっけ? いつもわからなくなる~」と言っていたのを思い出します。昔は植物図鑑でも見ないと、今のようにインターネットで簡単に調べられるような時代ではありませんでしたからね。結局毎年わからないまま終わっていました。
そんな母と違って、便利な時代に生きる私は調べました。どちらもお金(両)の位の名がついて縁起が良いとされる縁起木です。二つは近しい仲間かと思いましたが、千両は学名Chloranthus glaber と言い、センリョウ科センリョウ属、万両は学名をArdisia crenataと言い、ヤブコウジ科ヤブコウジ属に属する全く別の植物だそうです。
いずれも秋から冬にかけて、小さな赤くて丸い実をつけるという共通点はありますが、千両は実が葉の上側に付き、葉はしなやかでツヤがあり、縁にはノコギリのような鋭い鋸歯があって、茎に対して左右対称に付いています。それに対して、万両は実が葉の下側に付き、葉は光沢があって厚く革のような質感で、縁には波型の鋸歯があって、茎から互い違いに付いています。このように、両者は見た目にかなり姿が違うので、二つ並べてみれば我が母もきっと違いがわかったことでしょう。
そんな見分け方が分かったのですが、実は、正月の花には主に千両が出回り、万両を見かけることはないのだそうです。名前は千より万の方が、より縁起が良いように思われますが、せっかくの赤い実が葉の下側に付くので、葉の陰に隠れて見えないのと、下に付くのは縁起を担ぐにあたって好ましくないからだと言われています。つまり、母が花屋で見ていたものはすべて千両、どちらかなんて考える必要はなかったんですね~。我が母らしい話です(笑)。
そんなバカ話も含め、今年も今週のお花を書き綴りたいと思っておりますので、皆様どうぞよろしくお願い致します。
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