今週のお花(ヒモゲイトウ・ダイアンサス・ポリシャス・トルコキキョウ・セダム・ユーカリ・ポリシャス・レザーファン)

花材:ヒモゲイトウ・ダイアンサス・ポリシャス・トルコキキョウ・セダム・ユーカリ・ポリシャス・レザーファン

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今週は、「ヒモゲイトウ」に注目してみました。

花材をいただいた時、花が垂れ下がっているので弱っているのかと思いました。以前患者さんからいただいたライラックや、花材でいただいたサンタンカ・セロシアなどは、花が垂れ下がって枯れたように見えても、余分な葉を取り除いて水切りしてあげたら、あっという間に生き返ったので、これもかな?と思いましたが、ヒモゲイトウは垂れ下がっていて正解! その名の通り、花穂が紐のように長く垂れ下がるのが特徴なのだそうです。

以前、『ケイトウ属には色んな種類があるそうですが、それはまた他の種類をいただいた時にご紹介します』と申し上げました。このような珍しい姿のケイトウをいただいたので、さっそくご紹介しましょう!と調べたところ、ヒモゲイトウはその名とは異なり、ケイトウではないのだそうです。

ヒモゲイトウは、ヒユ科ヒユ属(アマランサス属)に属します。モサモサとした花穂がケイトウに似ていることから、ヒユ属の和名には○○ケイトウと付くものが多いようですが、ヒモゲイトウはケイトウとは同科別属だそうです。同科別属というと何やら難しいですが、わかりやすく言うと親戚ではあるものの兄弟ではないという関係性です。

日本でのヒモゲイトウは、その特徴的な花穂を観賞するために栽培されている園芸植物ですが、元々は食用野菜で、種子は穀物、葉は菜っ葉としてどちらも食用に栽培されてきたものだそうです。南米では4000年前から種子を採るために栽培されており、トウモロコシやジャガイモと共にインカ文明を支える重要な食べ物だったと伝えられています。日本へは江戸の頃に観賞用として伝来したようですが、東北地方ではアカアワという名で食用にも栽培されていたそうです。

属名のアマランサスでピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在、健康食品として「アマランサス」とか「仙人穀(センニンコク)」という名で販売されているのがそれです。アマランサスは良質なタンパク質を豊富に含み、それは雑穀の中で最も多くタンパク質を含むとされる蕎麦よりも多いのだとか。その他にもカルシウム・鉄・脂質・繊維・リン・カリウムなども豊富で、尚かつ穀物に不足がちな必須アミノ酸(リジン・メチオニンなど)も多く含んでいるそうです。見る資料によって白米や穀類(ヒエ・アワ・キビ)の何倍!という数値はまちまちですが、いずれにしても非常に栄養価の高い食べ物であると言えそうです。しかも、葉にも鉄分・カルシウム・ビタミンC・タンパク質が豊富に含まれていて、おひたしや炒め物、てんぷらにしても、美味しくいただけるのだとか。

葉は野菜、実は穀物、花は観賞と3拍子そろっている上、その栄養価も高いとは、かなりの優れものですね。

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