今週のお花(シラン・アンブラック・アルストロメリア・カラー・スターチス・ニューサイラン・丸葉ルスカス)

花材:シラン・アンブラック・アルストロメリア・カラー・スターチス・ニューサイラン・丸葉ルスカス

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今週は「シラン」をいただきました。カタカナ表記だとさっぱりイメージが湧きませんが、漢字では「紫蘭」と書きます。名前そのまま、紫色の花を咲かせる蘭ということです。

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シランは学名をBletilla striataといい、ラン科シラン属に属する宿根草(多年草)です。ランと聞くと、温室で育てる栽培が難しい高級な花というイメージが強いですよね。ところが、このシランはランの1種でありながら、丈夫であまり手のかからないランなのだそうです。

胡蝶蘭をはじめとするラン科の植物の多くは、樹の枝や幹などに根を張って育つ“着生ラン”ですが、シランは地面に根を張る“地生ラン”なので、鉢植えでも庭植えでも楽しめます。日向の方が育ちは良いですが半日陰でも育てられますし、冬には地上部が枯れますが花茎の元にはバルブと呼ばれる球状にふくらんだ部分があり、特に何もしなくても翌春にはこの脇から新芽が出てきます。また、バルブには養分・水が蓄えられているので乾燥にも耐えられ、株分けの時にはバルブを2つほど付けて切り離すと、古いバルブからでも芽が出てくるそうです。しかも、バルブは毎年1個ずつ横に連なっていくので、庭植えの場合には放っておいても勝手に年々増えていくのだとか。さらに、3月~5月に花を咲かせた後には、縦に太い筋が入った細長い紡錘形の果実をつけます。この中には細かいホコリのようなタネがぎっしり詰まっていて、この種の発芽率は高く、こぼれ種でも増えるそうです。

このように、とてもランとは思えない繁殖力を持つシランなのですが、実は準絶滅危惧種に指定されています。原産は日本・台湾・中国で、かつての日本では関東地方以西の本州・四国・九州の里山の土手や崖にシランが生えていたそうですが、地域の開発や乱獲などが原因で激減してしまったと考えられています。また、シランは昔から植栽植物(人為的に植え育てた植物)として親しまれてきて、そのこぼれ種などから勝手に増えたものも多いので、純粋な野生種か栽培品かの区別がつかないようです。

やれ純粋野生種か準絶滅危惧種かといった学問的な問題は横目に、繁殖力の旺盛なシランには、最近、色変わりや変化花などの変異個体やそれらの交雑種が見つかっています。また、種子の発芽率が高く、苗の育成も簡単なので、育種家によって新しい品種作りが行われています。既に一般的に出回っている品種には、花が白い「白花紫蘭(シロバナシラン)」、リップ(下向きに付く目立つ花弁、本来は1輪に1枚)の先端がほんのり紫紅色の「口紅紫蘭(クチベニシラン)」、葉に白い縁取りやラインが入る「覆輪紫蘭(フクリンシラン)」などがあります。それ以外にも、まったく濁らない純白花や、全体に青紫色を帯びた青花、側花弁がリップ化して3枚あるように見える三蝶咲きなどの珍しい品種もあるそうです。

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