今週のお花(ダリア・カラー・ヒペリカム・トルコキキョウ・ドラセナ・レザーファン)

花材:ダリア・カラー・ヒペリカム・トルコキキョウ・ドラセナ・レザーファン

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 今週は「ダリア」に注目します。ダリアは学名をDahliaといい、キク科ダリア属の球根植物です。メキシコからグアテマラが原産で、およそ15種が分布します。この僅かな原種から掛け合わせるも合わせたもので、現在までに30,000を超える品種が作り出されています。

人による栽培の始まりはアステカ帝国。16世紀初頭にコルテス率いるスペイン人の侵入をきっかけに滅んでしまいましたが、中米で紀元前から続いていたマヤ文明や15世紀に最も強大な勢力を誇りメキシコ高原一帯を支配していたアステカ帝国、それらが栄えていた地域とダリアの自生地はほぼ一致します。アステカではダリアは神聖な花とされ、庭などで栽培していたそうです。

1789年にダリアの種がメキシコシティ植物園からスペインのマドリード植物園に送られ、スウェーデンの植物学者アンデシュ・ダール(Anders Dahl)によって翌1790年に開花させたのがヨーロッパでの栽培の始まりとされています。その後品種改良され、19世紀にドイツで八重咲き品種が初めて育成されたのをきっかけにヨーロッパで流行しました。

日本には江戸時代末期(1841年)に、オランダ船によって長崎に持ち込まれたのが最初だと言われています。当時は花の形がボタン(牡丹)に似ていることから「テンジクボタン(天竺牡丹)」と呼ばれ、一部で栽培されていました。明治半ば過ぎには一般でも盛んに栽培されるようになり、現在に至ります。

私たちが現在ダリアと呼んで親しんでいるものは、原種を掛け合わせて作った園芸品種群です。先にも述べたように非常に多くの品種があります。花色はブルー以外すべての色があると言っても良いくらいです。同じ色でも品種によって濃淡の色幅があり、薄いパステル調の色から黒に近いような紫や赤まであります。また花弁の先端が白くなるものや反対に先端だけ色付くものがあったり、2色のグラデ―ションや混合があったりと、それは様々です。花形もポンポン咲き・アネモネ咲き・カクタス咲き・デコラティブ咲き・シングル咲きなどがあり、そこへ丸いもの尖ったもの細い太いなど花弁の形の違いがあり、花の大きさの違い(大きいものは30㎝以上、小さいものは3㎝以下)があり、草丈も30㎝以下ものから5~6mになる巨大なものまであるとか・・・。色、形、大きさの無限の組み合わせで、ダリアは品種数ナンバー1の花だと言われています。しかし、30㎝の八重のダリアと3㎝の一重のダリアなんて、もはや別種ですよ。

あまりに種類が多すぎるダリアなので、アメリカ・ダリア・ソサイエティー(アメリカダリア協会)では、花の形や大きさなどによって16に分類し、まとめています。・・・まとめて16、それでも多いですよねぇ。

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