今週のお花(レースフラワー・スナップ・タニワタリ・ピンポンマム・アルストロメリア・ローズゼラニウム・ディアネラ)

花材:レースフラワー・スナップ・タニワタリ・ピンポンマム・アルストロメリア・ローズゼラニウム・ディアネラ

DSCN1739

 今週は「レースフラワー」です。レースフラワーは学名をAmmi majusと言い、セリ科アンミあるいはアミ(ドクゼリモドキ)属に属する、地中海沿岸地方~西アジア原産の一年草です。小さな白い花が数十個ずつ集まって小グループを作り、さらにそれが花茎の先に10数個集まって複数花序を形成しています。同じセリ科の人参や芹(セリ)などの花に似ていますが、それらより花房が大きく、花房の間にすき間があるのが特徴です。

花茎が堅く長さもあること、秋蒔きも春蒔きもできて、ほとんど一年中花を咲かせることができることから、切り花として重宝され、花束やフラワーアレンジなどで他の花を引き立てる添え花としてよく使われています。名前の通り繊細なレースのような花姿ですから、アレンジに加えるとふわっと優しい感じになりますし、カスミ草とは違ってレースフラワー自体が広がりを持ち、一つの花として空間を占有しますからボリュームアップにもなります。

そんな優雅な見かけとは裏腹に、和名は「毒芹擬き(ドクゼリモドキ)」という何とも毒々しい名前が付いています。どうやら猛毒のある「毒芹(ドクゼリ)」と姿が似ていることから付けられたようですが、レースフラワーと毒芹とはまったく別の属の植物で、レースフラワーには毒はありません。また、レースフラワーと呼ばれるものには、他にブルーレースフラワーがあります。こちらは同じセリ科ですが、トラキメネ属に属する別種です。花色は当然ブルーですが、他にピンクや白もあり、これと区別するためにレースフラワーを「ホワイトレースフラワー」と呼ぶこともあります。

レースフラワーの近縁種にアミ・ヴィスナガ(Ammi visnaga)、和名「糸葉毒芹擬き(イトバドクゼリモドキ)」と呼ばれるものがあり、その花はレースフラワーと同様に利用されています。ただ、薬や漢方、ハーブなどに関係する方たちは、花より果実の方をよくご存知かもしれません。この果実は「アンミ実」あるいは「ケラ実」と呼ばれていて、古くからエジプトで民間薬として利用されており、腎臓病や輸尿管痙れんの鎮痙剤に用いられていました。中世以後には、ヨーロッバで利尿薬として用いられたり、腎臓結石や膀胱結石に用いられてきました。近年では、果実の成分が精査され、その主要な薬効成分はケリンであると言われています。ケリンには血圧や心機能に影響なく冠状血管を拡張し、冠血流を増加させる作用があり、また平滑筋に作用してこれを弛緩させる作用があります。このため狭心症や気管支喘息の治療などに用いられているようです。同様に、レースフラワーの果実にも薬効成分があり、ヨーロッパでは古くから強壮薬や胃薬、利尿剤として用いられていたそうです。

コメントを残す