今週のお花(トルコキキョウ・ニューサイラン・ストック・ケイトウ・リンドウ・ドラセナ)

花材:トルコキキョウ・ニューサイラン・ストック・ケイトウ・リンドウ・ドラセナ

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今まで何度もいただいたことのある「トルコキキョウ」、前々回は濃い青紫色のトルコキキョウで、それはそれで凄みがあって素敵でしたが、今回は薄いピンク色の優しげなトルコキキョウをいただきました。

今まで特に何の疑問も持たず、キキョウの仲間でトルコと何らかの関係があるんだろうなぁ、トルコの花なのかな?などと勝手に思っていましたが、全然違っていました。

北アメリカ(テキサス州周辺の乾燥地帯)が原産で、リンドウ科に分類される花なのだそうです。学名は「Lisianthus(ユーストマ)」と言い、ギリシア語の「eu(良い)」「stoma(口)」が語源だそうで、釣り鐘状の花の形に由来すると言われています。

トルコキキョウは和名なのですが、日本での呼び名になぜ全く関係ない“トルコ”や“キキョウ”の名がついたのか?

キキョウと付けたのは、花の姿・色がキキョウに似ているからという、いたってシンプルな理由だったようですが、トルコと付けた理由には諸説あって、例えばつぼみの形が、トルコ人が頭に巻くターバンの形に似ているから・・・とか、現在は品種改良がなされ、色んな花色がありますが、トルコキキョウの元々の花色は青紫色でした。その色がトルコ石や地中海の海の色を連想させるから・・・とか、外国からやってきた花のため、漠然とトルコをあてた・・・など、はっきりした理由はわかっていないのだそうです。

話は変わって、元々青紫色だった花色は、今では50種類を超えています。ピンク、白、紫、ブルー、黄色、茶色、緑、さらには縁取りやグラデーションのある複色の品種まであります。花弁も野生種では一重のものが多かったのですが、今では八重咲きや枝分かれして一本の茎にたくさんの花を咲かせるスプレー咲きの品種もあり、花の大きさも大小様々、その組み合わせから作られる品種は実にバラエティーに富んでいます。

一重のトルコキキョウは、ふわふわした花弁が繊細で優しいイメージがありますし、八重の花はバラにも負けない豪華さと気品があます。その上、切り花にしても日持ちが良く、しかもバラよりずっと安価ですから、大変ありがたい。また、花の咲く時期も早生・中生・晩生に改良され、さらに株を冷蔵保存する技術なども進歩したことから、トルコキキョウは一年を通して流通しているそうです。なんて優秀なお花でしょう!

そんな多種多様なトルコキキョウの品種は、ほとんどが日本産なのだとか。トルコキキョウが日本に入ってきたのは大正から昭和の初めと言われていて、その頃は農家が細々と育てているだけで市場に出回ることはほとんどなかったそうです。その後、戦争で海外の多くの品種が失われる中、日本のトルコキキョウは僅かですが生き残り、それが元となって昭和40年代頃から本格的な栽培と品種改良が行われるようになって、トルコキキョウ生産の中心は日本になったのだそうです。現在、その多彩な品種は海外で高く評価されているのですって。これもCool  Japan! ですね。

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